高校生しかできないこと!

零下冷

第1話 高校生しかできないこと?

「高校生しかできないことって何だーーー‼」

 気が付くと、私は廊下でそう叫んでいた。

 周りを歩く同級生たちがくすくすと笑いながらこちらを見ているが、これはいつものコトなので慣れている。

 自分で言うのも変な話だけれど、私はこういうキャラだから。

「うっさ」

 ぽこん。隣にいたアーコが教科書で私の後頭部を叩いた。この子は、私が高校に入学してすぐ仲良くなった友達である。なんだかんだ、会ってからもう二年もたっていることに驚きだ。

「もー、何するのさアーコ」

「急に隣で叫ばれる私の身にもなれっての」

「でもさ、実際思わない?高校生のうちに高校生しかできないこともやりたいって」

 そう訊くと、アーコはうーんと唸った。

「まあ、そうかも。もうあと一年もないしね。例えば…………制服着るとか?」

「考えてそれ?アーコは頭が固いなあ」

 人差し指を立てて振りながら、ちっちっち、と音を出す。

「じゃあ他に何があるのよ」

「それはねー、友達のおっぱい揉むとか!」

 そういってアーコの背後に回り後ろから抱き着いておっぱいを揉むと、アーコはくすぐったそうに私を突き飛ばした。

「次やったら殺す」

「怒んないでよー、私の揉んでいいからさ」

「あんた胸ないじゃん」

「なにを偉そうにぃ、おっぱいがでかいと偉いのか⁉」

「うん」

「きーー!!」


 二時間目と三時間目の間。

 移動教室から教室に戻っているときのことだった。

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