偽造痛歌

 気取った風にマイク握り

 

 本物押し退けた承認欲求

 

 偽造痛歌だって見抜けない

 

 わかりきった顔ぶれ

 

 前髪に隠れた男は部屋で笑ってる

 

 再生回数のお姫様は?

 

 今日もすぐ忘れるメロディーで悩んでるのか?


 あちこちで同じ歌詞を健気に…… 

 

 朝になれば賞賛埋め尽くす画面だ

 

 真剣に想いとやらを聞く必要なんてない

 

 とっくに耳は腐ってるさ


 だから思う存分歌い潰せ


 俺とお前の汚らしい拍手


 安物無線イヤホンが一生懸命媚びてくる

 

 他人の歌でカワイクなる姫が推し

 

 音楽なんて跡形もない


 一月いくらに踏み潰されたレコード


 何も背負わないまま聞かせてみろ


 夢を叶えた歌声が何もかも


 適当に使い捨てられて終わる




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る