第2話

皆さん、初めまして。この屋敷で働くウメと言います。

 旦那様は長い休暇をとっているため、今現在この屋敷にはいません。そのことを知らずに、この森の中にある我が家に来てしまうお客様がいるので、いつ来ても困らないよう、こまめにお掃除をしています。まぁ、最後にお客様が来たのも来たのも三ヶ月前ぐらいなんですけどね。

 そういえば、あのときのお客様達、随分と布面積の少ない服を着ていましたね。おまけに黒髪なのに毛先に色がついていて、同じ日本語なのに聞きなれない言葉を話していましたね。田舎と東京では話す言葉も服装も違うのでしょうか。私もいつか行ってみたいものです。

 あ、そんなこと許されませんね。私は旦那様からこの家を守るように、強く命じられています。たとえ、死んでもこのお屋敷を離れることなど許されません。いつかは帰ってくる旦那様のために、今日もお掃除頑張ります。

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