送り主:五奏透真(ごしょうとうま)

 我が敬愛なる研究者、色崎夫妻の研究所へとあるウイルスを誤送したことを、お詫び申し上げます。

 今日、私がお送りしたウイルスは、取り込んだ者の海馬のみに作用するものです。副作用で発熱したり、嘔吐したりしますが、死には至らないでしょう。毒素型ですので、影響が出る方は、お二人のみとなります。

 詳細は、こちら<リンク>からよろしくお願いいたします。


 この度は、誠に申し訳ありませんでした。 


 しかし、私は戦火が世界を飲み込む前に、どうしても見てみたかった。

 開発したウイルスがどのような作用をもたらし、常に完璧な貴方たちにどのような傷をつけることができるのか。

 願わくば、私のことを貴方たちの脳髄に刻みつけてほしいものです。私は異世界へ参りますが、再会の時を心待ちにしております。


 季節はいよいよ寒くなってまいりました。ご自愛のほど、お祈り申し上げます。

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