持ち主:色崎真里

 群青、きいろ。貴方たちがこのメモを読んでいる頃には、私は生きてはいないでしょう。

 けど、これだけは、貴方たちの母親として伝えておかなきゃいけない。


 父さん—色崎太陽は、私たちの敵よ。


 特にきいろ。あの人は貴方を狙ってる。勿論、群青もそうだけど、あの人のきいろへのコンプレックスは、尋常じゃないわ。

 同じ研究チームで研究し、交流してから、私は色崎太陽の異質さに気づいた。彼と話をする内に、このままだときいろが危険だと思って、監視をするために彼と結婚したの。

 私が見張っている間、彼は動かなかった。彼は研究の暇を縫っては、保育園にいる貴方たちの様子を見に行こうとしていたけれど。


 もしも、貴方たちが色崎太陽と会っているのなら、今すぐ逃げなさい。彼は、貴方たちを使って何かをしようとしている。


 群青、きいろを守りなさい。貴方は色崎太陽と同性で、彼からの執着も薄いわ。私がいない今、彼に対抗できるのは、貴方しかいない。

 そしてきいろ。よく考えて行動しなさい。貴方には想像力があるから、きっと群青の理論に他の分岐点を見出せるはずよ。


 最後に。


 何をしてでも生き残りなさい。愛してる。

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