初めてのガチャ
魔物:魔族:魔獣召喚
DP:10
DP:100
DP:1000
DP:10000
DP:100000
DP:500000
よし、引こう。
そう思って、私はDP1000……じゃなくて、100消費のガチャを選んだ。
すると、ダンジョンコアが光出して、そこから、二足歩行の大きな豚……ゲームやラノベ知識でいう所の、オークが現れた。
そんなオークが目の前にいきなり現れた私は、いくら頭で召喚した魔物は私に一切の悪い感情を持たないとは分かってても、何歩か後ろに下がってしまった。
すると、二足歩行の豚……オークは片膝を着いて、私に頭を下げてきた。……オークって、ゲームとか、ラノベでは、性欲が凄い魔物、だよね? ……私には、発情、しないのかな? いや、もちろんして欲しい訳では無いけどさ。
私が召喚した存在だから、大丈夫なのかな。
「二階層の所で守ってて」
私はオークに向かってそう言った。
すると、オークは頷いて、今いる三階層から、二階層に移動するために、動き出してくれた。
……ふぅ。いくら味方だと分かってても、あんなのと一緒の部屋にいるのは、正直、怖かったから、良かった。
よし、気を取り直して、まだ、DP900残ってるし、もう一回、100消費で引こう、
そう思って、私はもう一回、ガチャを引いた。
すると、ダンジョンコアがさっきよりも強く光出して、そこには……何も見えなかった。
……え? 何もいないんだけど。嘘でしょ? そんなハズレとか、あるの? 聞いてないんだけど!?
最悪だ……なけなしのDP100も無駄にした。
……もう一回、引こ。……正直、かなり萎えてるけど、ここで引かないっていう選択肢は流石に無い。オークだけじゃ、心もとないし、ダンジョンマスターである私のそばに誰も守ってくれる存在が居ないってのはマズいと思うから。
あのオークみたいに怖そうな……いや、別に見た目が怖い分には全然いい。二足歩行の豚っていう怖い存在が嫌だったんだ。……後は日本のラノベやゲームに当てはめるなら、オークって性欲が強い魔物だから、いくら私が主だと分かってたとしても、絶対は無いから、怖かった。
ともかく、これで最後にしよう。何が出ても、取り敢えず、これで最後だ。
そう思って、私はまた、DP100を消費して、ガチャを引いた。
すると、さっきより弱いけど、ダンジョンコアがまた光出して、今度はちゃんと、小さな子犬みたいな魔物? が現れた。
可愛い。……なんか、私の方を見上げて、しっぽを振ってる……可愛い。……可愛いけど、絶対、戦力にはならない。
「わふ?」
私が子犬のことを見つめたまま、何も言わないから、不思議に思ったのか、その子犬は、小さく首を傾げながら、そんな声が聞こえてきた。
「なんでもないよ。これからよろしくね」
「わふ!」
まぁ、癒し要員は大事でしょ。特に私は自分で言うのもなんだけど、不安定だし。
よし、いい癒し要員も出来たし、寝よう。……引きこもりってのはよく眠るものなんだよ。
……あ、でもその前に、外の様子を見ときたいな。……このダンジョンの階層とか、形はさっきので何となく分かったけど、どこにあるのかとかは、全然分からなかったから。
確か、ダンジョンマスターは、ダンジョン内なら、どこにでも転移出来たんだよね。
えっと、もう一回ダンジョンコアに触って、ダンジョンのホログラムみたいなのを出して、と。……よし、これで入口……多分ここだ。
ここに転移!
こんな単純なことを思うだけでいいのかとも思ったけど、気がついたら私は、ダンジョンの入口に立っていた。
そして、そのまま少し歩いて、外の様子を見てみると、真っ暗だった。
この世界にも月はあるみたいで、月の明かりでなんとかここがどこかは、分かった。
一言で言うなら森だ。山? 崖? 何かは分からないけど、その壁みたいなところに、ダンジョンがあるみたい。
良かった。これで街中とかだったら、絶対引きこもれなかったと思うから。
あ、でも、こんなところだと、侵入者とかも、来なそうだな。……正直侵入者が来るのは怖いけど、来てくれないと、DPが稼げなくて、死ぬ。
あ、でも、一応、ここに登ってこれるような道……と言うか、坂、みたいなのがあるから、多分、大丈夫かな。何かは来るでしょ。
そんな楽観的な思考をしながら、私はさっきの場所をイメージして、そこに転移した。
そしてそのまま、子犬を持ち上げて、一緒にベッドに寝転んだ。
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