◆英人視点 ひよるイケオジ
「ふぅ~、ちゅかれた」
となりで寝転ぶ女を見て、俺はふと問いかける。
「なぁ」
「ん~?」
「俺とのセックスって……気持ち良いか?」
「え~? いきなりどうしたの~?」
「いや、何となく……」
「そうだな~、キスとか愛撫は抜群に上手いよ」
「そうか」
「でも、ぶっちゃけ……いや、何でもない」
「いや、言ってくれ」
「そう? ぶっちゃけて言うと……」
ゴクリ。
「……態度のデカさの割に、おち◯ん◯んは小さめかなって」
グサリ。
「でも、大丈夫。みんな、ヒデちゃんの小ささを分かっていて、エッチしているから♡」
「……じゃあ、感じているのは……演技なのか?」
「いや、だから、キスと愛撫は上手だって。だから、いつも気持ち良いし」
「そうか……」
「ただ、まあ、完全にメスにされることはないかなって」
「……メス」
「でも、あたし、ヒデちゃんのこと好きよ。イケオジで、羽振りよくて」
「……ありがとう」
「えへへ、どういたしまして」
俺は笑うセフレの女から、いったん目を逸らし、天井を見つめる。
このパーフェクト超人なオレ様に唯一欠けているモノ、それは……ペ◯スのサイズ。
小さいとは言っても、あくまでも平均レベルだとは思うが……
確かに、今まで抱いた女たちは、甘い声を漏らしつつも、狂ったようにはなっていなかった。
もしかしたら……俺が
いや、誰が粗◯ンだ。
でも、現にあの女は、あのガキに狂わされている。
デカ◯ンのDNAを継いでいると思われる、あの
いやいや、実際にあいつとあいつのオヤジのイチモツを拝んだ訳じゃないから、知らんけど。
でも、明らかに不釣り合いな、あの極上の女(クソ生意気)をモノにしている当たり、本当に……なんだろうな。
そして、愛しのマイワイフ……まあ、元だけど。
悠奈は、あのガキに、すっかり身も心も奪われている。
世間的に見て、明らかに狂った関係なのに。
俺が愛した女は、そんなイカれた女だったか?
あのガキが、イカれさせたのか?
本当は、俺が狂わせるはずだった、あの女を……
「ねえ、ヒデちゃん。もう1回戦、する?」
「……いや、明日は仕事だから」
「え~、いつもそんなの関係ないって、ヤリまくるじゃん」
「すまん、今日はもう、疲れた」
「え~、マジでおっさんじゃん」
「うるさい。ほれ、タクシー代」
「やった~、ヒデちゃん大好き~♡」
白々しいんだよ、小娘が。
お前とこうして遊んでやるのも、お前が若い内だけだからな。
歳を取れば、女の美貌は衰える。
まあ、中には、いくつになっても衰え知らずの、モンスターもいたりするけど。
あと、悠奈は……年齢を重ねて、あの頃にはない色気がまた……
「じゃあ、まったね~」
セフレは去って行く。
女は数えきれないほど抱いて来た。
連絡すれば、いつだって遊べる女は山ほどいる。
なに不自由ない、モテ男ライフ。
誰もが羨み、俺自身も、誇らしかった。
はずなのに……何だろう、この虚無感は?
俺は誰よりも勝ち組の男のはずなのに……
「……悠奈」
信じられなかった。
オ◯ニーなんてもう、何年もしていない。
自慰行為なんて、モテない男がすること。
そんな風にバカにしていた、非モテの行いを、いま俺は、している。
いつの間にか、ずっと遠くに行ってしまった、愛しき女を想って。
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