第22話 『死闘』
「まずは、逃げずに来たことを誉めてやろう」
エルフ長ラララノアはVIP席で大声を上げる。
『わぁ――!!人間は殺せ――!!』
病院の屋上に用意された『おっぱいバレーコート』を百人あまりのエルフが囲んでいた。
「ふっふっふ、すまんすまん。エルフは遥か昔、人間に虐待された者も少なくない。血の気の多い者もいてな。心配するな、約束は守る」
「なぁ、大丈夫か?」
二コの後ろでビクビクする俺。情けない。
「大丈夫よ。バレーに関する知識は持っているわ」
二コが「任せて」と微笑む。
俺に気遣い無理に笑顔を作ってくれているが、俺は二コの体操服から飛び出したおっぱいから目が離せない。
「わかった。任せる」
「どこと話してるのよ!」
ビシッ!
おっぱいと話していた俺に二コがチョップする。
「では、試合開始!」
相手チームのエルフは長い髪の弓兵団長ファロスリエン。体操服からロニにも劣らない綺麗な大きなおっぱいが堂々と君臨している。団長より少し小さいが張りのありそうなおっぱいが特徴の副団長アレゼル、三人の中では一番小ぶりだが、色白でピンクの先端、科学班長ディニエルの三名だ。
「あなた、相手チームをジロジロ見すぎじゃない?」
二コの指摘に俺は「そんなことないよ――!!」と否定するが、説得力の欠片もない。
「全く、せっかくの100年に一度の『エルフ祭』でまさか人間と対決するとは……ラララノア様には困ったものだ」
弓兵団長ファロスリエンは腕を組み、大きなおっぱいを強調しながらため息をつく。
「団長!この試合に勝ったら男の秘棒を好きにできるそうですよ!」
「なんだアレゼル。お前は私だけじゃ物足りないと言うのか?」
ファロスリエンはアレゼルのおっぱいを揉みし抱きながら舐め上げる。
「ファロスリエン様!そんなことは!?あん!こんな公衆の面前で……!?」
「止めなさい。羞恥心をなくした人間でもあるまいし。私は『男』に興味がある。文献によると秘棒は何倍にも大きくなるらしい。解剖したい」
不適に笑うディニエルに俺は思わず股間を押さえて守る。
「心配しないで、勝つわ」
俺の頭をおっぱいで撫で撫でしたロニは頼もしくコートに入っていった。
「天外!見ててな!」
続いてロミもおっぱいを揺らしながらコートに入る。
「どこ見てるのよ。はぁ~」
おっぱいばかり見ている俺にため息をつきながら注意をして、二コもコートに入った。
「それではエルフ祭『おっぱいバレー』試合開始!」
審判のコールで戦いの火蓋は切って落とされた!
「いくよ!そ~れ!」
ぽよぉ~ん!
副団長アレゼルのおっぱいサーブが紙風船を打ち飛ばす。
「ロミ!行ったわよ!」
「任せて!」
二コの掛け声にロミが反応。
おっぱいを寄せて見事なレシーブを見せる。
ぽぃ~ん!
「今よ!ロニ!」
「わかったわ!AI解析」
ロニのAIの首輪が起動する。
ピピ……ピッ。
『 広いコートを活かし、攻撃を狙うことが大切です。相手チームの選手の弱点を把握し、そこを狙ってボールを打ち込むようにしましょう』
「それ――!!」
ロニの大きなおっぱいを利用した弾丸おっぱいアタックが相手コートに炸裂!
「うっ!」
エルフチームで一番おっぱいの小さな科学班長ディニエルのおっぱいでは、その衝撃を吸収することができず、後ろへ弾き飛ばしてしまう。
「人間チーム1点!」
「やった!ナイスおっぱい!」
俺はロニに声援を送る。
「やるわね」
団長ファロスリエンがロニを睨み付ける。
「次はこっちの番だ!やぁ――!!」
二コのサーブをアレゼルがレシーブ、それを高くジャンプしたファロスリエンが横回転を加えながら強烈なアタックを打つ!
「ロミ!構えて!」
ロミが腕を胸おっぱいに寄せると、駆け寄った二コ、ロニも自身のおっぱいをロニのおっぱいにくっつける。
ピピ…ピッ!
『強烈なアタックのレシーブは成功すれば逆に味方のチャンスとなります。予測した相手のアタックポイントに『腰を低く』『重心は前に』『かかとを浮かせる』を実行。三人が合わされば衝撃も三等分に分けられます』
ぽよぽよ~ん!
六つのおっぱいがファロスリエンの強烈なアタックを見事に相手コートに返す。
「トリプルおっぱいレシーブ!」
と、俺は名付けながら涙する。
「くっ!」
すぐさまファロスリエン、アレゼル、ディニエルの三人はブロックのため並んで飛ぶが、無情にも紙風船は三人の頭の上を通り、コート内に落ちる。
「人間チーム、連続得点!」
「おっぱいブロック!」
「天外、ちょっと黙ってて」
すぐさま『おっぱいブロック』と命名した俺に、ミクが「うるさい」と注意する。
その後も『解析されたデータ』を元に二コ達は点数を積み上げ、ついにマッチポイントをむかえる。
「17対20 人間チームマッチポイント!」
「やはり情報は『力』解析できる人間に負けはない」
ココが勝利を確信する。
それにしてはエルフ達は余裕の表情をしているような……。
『サーブの重要性は高く、相手チームの司令塔となるレシーバーを押し込むことができると有利な局面に導けます』
「これで終わりよ!」
二コのジャンピングおっぱいサーブが司令塔ファロスリエンに襲いかかる!
「決まった!?」
俺は身を乗り出す。
「……ふっ!甘いわ!」
ファロスリエンは自身のおっぱいを鷲掴みにすると二コのサーブを軽々とレシーブする。
「はぁ!!」
それに合わせた副団長アレゼルは左右に開いたおっぱいを寄せた勢いで紙風船を挟む。弾け飛んだ紙風船は円を描きながら人間チームのコートに突き刺さった!
「なに……今の!?」
二コが地面に突き刺さった紙風船を呆然と眺める。
「なんだ、人間はこんなのも知らんのか?『鷲掴み』に『パイずり』だ」
ファロスリエンは誇らしげに語る。
VIP席のラララノアは立ち上がり、エルフチームに指示を出す。
「やはりな!人間はスポーツの知識はあっても『性』の知識が欠如している!お前ら、やっておしまい!」
それからはエルフチームが圧倒した。
『高速おっぱいファイアー!』
おっぱいを交互に素早く上下運動をさせることで大きな摩擦が熱をおび、炎の紙風船を生み出す。
ボォ――!!
『エルフ妙技!『私……先っぽ弱いの』』
素早く打ち下ろした紙風船を相手のおっぱいの先端をかすめることで快感を与え動けなくさせる技。
「あはぁ――ん!!」
二コのおっぱいの先端から電流のような快感が流れて全身を包み込む!
「これでとどめよ!『ハーレムおっぱい』!」
ファロスリエン、アレゼル、ディニエルの三人は円陣を組み、左右のおっぱいの先端をそれぞれのおっぱい先端にくっつけ、離すことなく中央の紙風船に押し付ける。
バビュ――ン!!
押し付けられた紙風船は上空へ飛ばされ、そのまま力尽きたように人間チームのコートへ落ちた。
「ゲームセット!マッチウォンバイ『エルフチーム』!!」
『わぁ――!!』
大歓声が沸き起こる。
「そんな……」
コート内で崩れ落ちる二コ。
エルフ達の大歓声の中、VIP席から下りてきたラララノアは二コ達の前に立ちはだかる。
「すまんな。人間が欲を取り戻しては、エルフの生活の脅威になるやもしれん。約束通り男は貰っていくぞ。この者を外へ!」
俺は弓兵団に連れられてしまった。
「天外――!!」
二コの悲しそうな叫びが俺の耳からしばらく離れなかった……。
<つづく>
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