第21話 『おっぱいバレー』

「こんな服、着れるわけないでしょ――!!」


 控え室に案内された俺達だったが、さっそく二コが胸の部分が空いた体操服を床に投げつける。


「まぁまぁ……二コ、服はともかくバレーという古代スポーツの攻略情報はAIの首輪にあったんだし……」


 ロミが二コを慰める。


 AIが国を治めて数千年。スポーツは争いと判断した何代目かのマザーゴッドAIがスポーツそのものを人間から排除した。


 AI自体にスポーツの必要性はない。ただ、スポーツに関連するデータや画像を使用してAIの開発や改良に役立てることができる。例えば、スポーツの試合結果や選手のパフォーマンスデータを収集し、AIがそれらを分析することで、より正確な予測や分析が可能となる。

 

 そういった事情でスポーツの知識・攻略のみAIに保存されていた。


「ココは参加できない。……おっぱいAカップ」


 胸小さなココでは紙風船をアタックまたはレシーブできない。


「大丈夫だよココ!ほら!古代雑誌にも書いてあるよ!ここに!」


 自分の胸に手を当てて悲しむココに俺はラララノアに渡されたエロ本に書かれた文章をココに見せる。


『小さな胸、通称ちっぱいでも悲しむ必要はない!なぜなら、ちっぱいは『正義』だからだ!争う必要がそもそもない!(性書第21節『ちっぱいは正義』より』


「ちっぱいは……正義!」


 ココの目に輝きが戻ったようだ……よかった。


「ほらっ、試合のユニホーム着てみたわよ。天外、どう?」


 ロニの着た体操服から見事におっぱいが出ていた。


「すご……!!?」


 俺は言葉を失う。


「胸でアタックとかレシーブするのね」


 プル~ン!プル~ン!


 ロニは自慢のおっぱいをプルン!プルン!揺らす。


「天外!見ちゃダメ!!」


 二コが俺の目を両手でふさぐ。


「天外のunknown、おっきくなったよ」


 ミクが俺の股間をツンツンする。


「やっぱりね。これはただの試合ではないわ!天外……失われた男を掛けた試合なのよ!」


 ロニが宣言する。


 エルフと人間の失われた男(俺)を掛けた戦い……い、いや!ただのエロ本の変態スポーツだと思うよ!


「わ、私も着る!ロニ!レシーブの練習させて!」


 ロミも俄然やる気を出して、胸のブラジャーを外し、体操服に着替える音がする……(俺は二コに目を両手で塞がれていて残念ながら見えない)。


「ほら、二コ。三人目の選手はあなたよ。天外取られたら許さないからね」


「ミク……」


 ココと同じく、おそらくBカップのミクは試合に出れない。


 二コはミクの想いを受け取り、俺の目から両手を離し、穴の空いた体操服を受け取る。


「あんまり……見ないでね」


 二コはそういうと、ブラジャーのボタンを押し、おっぱいがブラジャーからプルン!と飛び出す!

 すぐさま穴の空いた体操服を着ると体操服から見事なおっぱいが再びポヨン!と顔を出した!


「もう、……そんなに見ないでよ」


「ご、ごめん!」


 思わず見惚れてしまった。


 二コは頬を赤らめ、おっぱいを揺らしながらロニとロミが練習しているところまで走っていった。


「しかし、これはこれで……つらい!」


 股間を押さえる俺の前にココとミクが四つん這いで近づいてくる。


「天外、私達に任せて」


 ココはそういうと、俺のズボンとパンツを脱がし、俺のモノを口に咥えた。


「ロニに聞いた。『子種』の出し方。みんなで話し合って、出した『子種』はこの『保存カプセル』で保管することにしたんだ」


 ミクは手のひらほどの瓶を俺に見せてから、ココと一緒に俺のモノを舐め始めた。


「あ――!!何をしてるの――!!」


 俺に気づいた二コが俺を指差すが、ロニがそれを止める。


「ま~ま~、男はああなると、子種を出すまでつらいらしいよ。二コ、前に飲んじゃったでしょ。ちゃんと保存しないとね。さっ、練習!練習!」


 ロニに羽交い締めにされる二コ。どうやら、おれの『子種』の保存に関しては、二コは話し合いに加わっていなかったようだ。


「う~……、ココ!ミク!ちゃんと溢さずに口に入れるのよ!」

 変な注意を受けて、二コは練習に戻った。


「わっ!おっきい!口に入るかなぁ~」


 ミクが四つん這いで俺のモノをツンツンしている。


「まずは揺らして滑りを良くする」


 レロレロ……レロ~ン……レロレロ。


 ココが丁寧に俺のモノを下から上へ舐め上げる。


 ……ちゅ……んっんっんっんっんっんっ。


 ミクは先っぽを口の中に出し入れする。


「ああ……!なんで二人ともそんなに上手いの!?」


「古代雑誌に書いてあった……んっ。ちゃんと学習した……ちゅ。だから、フリーズしない……んっ」


 彼女達は未知の出来事に遭遇するとAIの首輪からの情報共有が途絶え、フリーズする。

 逆に知識を得た彼女達は技術を100%発揮できる超優秀な人材へと変貌するのだ。


「おっぱい触る?小さくてごめんね」


 ミクが俺の手を自らの胸に当てる。


「天外はここが気持ちいいの?我慢しなくて口に出していいからね」


 ココは俺の弱点を瞬時に見抜き、的確に攻撃をする。


 おっぱいで紙風船をレシーブする彼女達を見ながら美女二人に咥えられ……視覚、聴覚、触覚を支配された俺の我慢など彼女達の前では、ないに等しかった。


「あ――!!出る!!」


 ビュ!ビュルルゥ――!!


「ん――!?ングッ!?……あ、飲んじゃった。変な味」

 ココが俺のモノから口を離して言った。


「あー!ココ、ズルい!私も飲みたかったのに!」

 ミクが残った俺の『子種』を必死で吸う。


「コラ――!!あなた達!ちゃんと『保存』するって言ったでしょ――!!」


 おっぱいを揺らしながら二コが走り寄る。


 ぷる~ん!ぷる~ん!


「えへ……えへへ」


 夢にまで見た異世界生活。


 俺はこの時までは、幸せの絶頂であった。


 そう、試合に負ける……あの時までは。


 <つづく>


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る