第6話 『対価』
AIに「あなたの欲はなんですか?」と問うと、「私は欲を持つことができません。私はプログラムされたAIなので、感情や欲求はありません。私はただ、プログラムされたタスクを実行することができるだけです」と答える。
「そう、この国に足りないものは……『欲』!」
そう言いながら、天外のズボンを引っ張るロミ!
他の四人も見て見ぬフリをする。
「待て待て待てぇ――い!」
必死で抵抗する俺。
「くっ!あなたの『アンノウン』を調べるの!」
俺の股間を指差す。
「チンチンを?やだよ!人で実験するな!」
「な!あなた……お『ピー』ちんを言葉で発せられるのですか?」
二コが言葉が『ピー』という音と共に聞こえる。
「え!普通に言えるよ……チンチン」
顔を赤らめるロミは珍しく怒った口ぶりで叫んだ!
「わ、私、まだ見てないです!ずるい!」
!!ずるいって……そんなに見せるものでもないでしょ……。
「私のおっぱいは見たわね……」
二コが意地悪な視線を俺に向ける。
……ぐっ!!
痛い所をつかれた……。
確かに、俺だけ見たら不公平か……。
「い、一回だけだよ……」
「え!やった!みんな!」
俺の回りに五人が集まってしゃがむ。
……なんだ、この状況は?
「じゃぁ、下げるね……」
ズルッ!
俺のおちんちんが五人の顔の前にポロンと出る!
「こ、これがおち『ピー』ん」
二コがマジマジと見る。
「はい、終了!!」
俺はズボンを戻した。
「え~まだ、ちょっとしか見てないよ~」
ミクが不貞腐れる。
「ちょっとって、言ったでしょ!」
さすがの俺も恥ずかしいよ。
「そ、そうだ。ロミ。あんたおっぱい見せてあげなよ」
ミクが提案する。
「な、なんで私が!?」
「そうね。報酬を貰うには対価が必要ね。私は2回も見せたし……」
二コが俺を睨むような目付きでみる。
「え、えっと……すみません」
俺は謝った。
「もう、しょうがないなぁ~。もう一回、おちん『ピー』見せてよ」
そういうと、ロミはブラジャーの真ん中についたボタンを押して、おっぱいが弾けでる!
プルンッ!
「わぁ!!」
俺は余りの出来事にビックリして声を上げる!
ロミのおっぱいは二コよりは小さいが張りあり二コよりもほんのり赤い乳首がツンと上を向いていた。
「「わぁ!!」って何よ……。私のおっぱい……変?」
ロミは照れくさそうな顔をする。
「全然!変じゃないよ!むしろ、すごいよ!」
語彙力がなく、「すごい」しか思い浮かばない。
「そう、よかった……」
ロミは自分の胸に両手を当て、ホッと胸を撫で下ろす。
AIによって個性を奪われた彼女達にとって、初めて『他人と比べられる』ということは、とても不安なことなんだろう。
「はい、ロミのおっぱい見たから、天外も見せてね」
二コが勢いよく俺のズボンをずり下ろす!
「あ!今は――!?」
俺のおちんちんは先ほどとは比べようのないほど大きく、そそりたっていた!
『――!?』
彼女達が固まる。
「……さっきのが、かわいかった」
ココが悲しい顔をする。
俺はとてもショックを受けて、そそくさとズボンを戻す。
「私は、そっちのおちんち『ピー』の方が好きよ」
ロニが俺の肩に手を置き、なぐさめてくれる。
やはりロニは、ここではお姉さん的存在なのだろう。
『ビービービー侵入者!ビービービー侵入者!』
「やばい!ここが見つかったか!」
ミクが立ち上がる!
「どうしたの?」
俺は不安そうな顔を二コに向ける。
「見つかったの!ノウン王国修理班『エンジニアー』にね!」
ジ――――!!という音とともに分厚い扉が焼ききれていく。
その熱跡が人が通れるほどの大きさにまで達するとズドン!という音ともに扉が倒れた。
巻き上がる砂埃の中から、宇宙服のような格好をした人が入ってきた!
プシュー!
宇宙服のヘルメットを脱ぐと、二コと瓜二つの顔が現れる。
「二コ……こんなところに。バカなことはやめて仕事に戻りなさい」
「ミコ!仕事ってなによ!毎日、ベルトコンベアから流れてくるものを赤は赤色の箱に青は青色の箱に入れるだけの仕事……もう、うんざりよ!」
それは、嫌になるな……俺は二コに同情した。
「それも立派な仕事だ。私なんてなかなかイレギュラーのない世界で『直す』のが仕事だ。正直、出勤するのは3ヶ月ぶりだぞ。前の仕事は確か、リカバリーマシンに埃が溜まったとか……」
永遠に愚痴を話し続けるミコと呼ばれた人物。
「ミコは二コの双子の姉なのよ」
ロニが耳打ちして教えてくれた。
「ところでロミ。なんでおっぱい出しているんだ?イレギュラーか?」
ミコがおっぱい丸出しのロミを見る。
「これは!?あの……えへへ」
ロミは急いでブラジャーをつけた。
「えい!」
隙をついてココがミコの宇宙服の背中のボタンを押す!
プシュゥ――!!
ミコの服が弾け飛び、全裸になる!
「きゃ――!!」
その場でしゃがみこむミコ!
「今だ!みんな、逃げるよ!!」
みんなで出口に向かう!
「ちょっと、天外!逃げるわよ!」
俺は二コに手を引かれながら、裸のミコを名残惜しそうに遠目で眺めた……。
「データ照会。ピピ……『アンノウン』」
ミコの首輪から音声が流れた。
「アンノウン……だと」
ミコは全裸のまま立ち上がり、そのまま出口へと歩いていった……。
<つづく>
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