連休は命がけ 3

「もっと早く兵を集められないか?」


「中途半端な兵力で、ギリギリの戦いを行って、忠誠度の高い兵士を消耗し、不満を高めても良いなら可能ですが?」


「うっ!?」


魔王の直轄兵力は少ない。

各種族毎に傘下に入っているという状態だ。

忠誠度の高い種族は多少の無理は聞いてくれるし、反応も早い。


しかし、忠誠度の低い種族は積極的に反乱まではしないが、魔王に協力する気もない。

そんな種族も少なくない。


少しでも各種族の忠誠度を高めるのも魔王の大切な仕事なのだ。

以前に行った色々な陳情に対応するのも、要は人気取りが目的だ。



そんな中、反乱を発生を大っぴらにするのは得策ではない。

便乗するようなバカが出てくるかもしれないからだ。

だから、今回の反乱鎮圧も内密に、かつ早急に行う必要がある。


俺の行った政策は弱小種族には好評だが、全般的には可もなく不可もなくといった感じだ。



プログレアントを退治する。

魔王の強さを見せつける。

支持層に大きな損害を出さない。

時間をかけ過ぎない。

それらを両立しなければ、たとえ反乱を鎮圧しても、今後の運営に悪影響が出てしまう。


しかし!

「今度の連休は家族旅行なんだ!

キャンセルなんてあり得ない!

意地でもそれまでに終わらせるぞ!!」


「意気込みだけではどうにもなりません。

具体的な策を考えてください。」


リノアは冷静にツッコミを入れてくる。


「・・・殺る?」

メキラの気持ちは嬉しいが、1人でどうにか出来る数ではない。


俺は考える。


・・・少数で蟻を殲滅する方法。

元の世界なら駆除剤を散布したり、

巣に直接噴射したり、、、


だが、そんな都合のいい薬剤は無いし、

巣に近付けば、抵抗してくるだろう。


う~ん

でも基本的な考え方は悪くない気がする。

正面から戦わずに勝つ方法。


ある!

策が浮かんだ。

やってみないとわからないが、試す価値はあるだろう。



「リノア!

今から指定する種族に協力を頼んでくれ!

エリーは兵糧の用意だ!

メキラには生き残りを仕留めてもらう!

いくぞ!!」


俺のかけ声とともに準備を進めていく。

時間はない。

移動は俺が転移で運ぶ必要があるだろう。

なんとしても成功させたい。


準備は時間との戦いだ。

リノアもエリーも懸命に働いてくれる。

無茶だが、

やってみせる!

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