連休は命がけ 2
「大変です魔王様。」
大変と言う割に、リノアの口調は落ち着いている。
「どうした?」
「反乱です。
プログレアントが魔王様に反旗を翻しました。」
「反乱!?
リノア、落ち着き過ぎだろ!?」
「ここで慌てても何も変わりませんので。」
「そりゃ、その通りだが、、、」
「では、さっさと話を進めてください。」
・・・リノアって俺の部下だよな??
「で、『プログレアント』ってどんなモンスターなんだ?」
エリーが答えてくれる。
「プログレアントは蟻タイプのモンスターです。女王蟻が卵を大量に産み、数を増やします。
その一番の特徴は女王蟻が食べた物によって、産んだ子ども蟻が進化するところです。」
「どういうことだ?」
「例えば、
女王蟻が鳥を食べると飛行能力を持った子ども蟻が産まれたり。
スライムを食べると不定形な子ども蟻が産まれたりします。
食べた物の影響をダイレクトに受けます。
ただ、プログレアントの女王蟻は反乱をおこす程の知性を持っていません。
おそらくは、子ども蟻が主導したのでしょう。」
「なるほどな。
何かしら強い能力を手に入れて調子に乗ったのか、
それとも、野心家の人間でも食べてくだらん野心にとりつかれたか。」
「理由はどうあれ、放置は出来ません。」
「その通りだな。
規模と場所は?」
「魔界南部のモンゴラ渓谷に巣を作って数を増やしている状態です。正確な数は不明です。探らせていますが、数万はいると想定されます。
渓谷は道が狭く、入り組んでいます。
彼らにとって有利な土地と言えるでしょう。」
「元々モンゴラ渓谷よりも、もっと東側に生息していたはずです。
わざわざモンゴラ渓谷に移動したのだとしたら、かなり知能が高いと考えられます。」
リノアとエリーの話を聞く限り、
数は多い。
知能は高い。
地の利は蟻にある。
なかなか厄介な案件だな。
「対応はどうなる?」
「魔王様傘下の兵を集めて討伐に向かうとなると、10日程度は必要かと。」
「なにっ!?
そんなにかかるのか!?
俺は抜けたいんだが?」
「準備段階なら抜けることは可能ですが、さすがに戦いが始まってから抜けるのは士気に関わります。
順調に進んだとしても、3~5日間は蟻との戦いに集中して頂かないと。」
まずいぞ!!
旅行に当たってしまう!
反乱を放置は出来ない。
しかし、まともに戦うとゴールデンウィークが潰れてしまう!
どうする俺!?
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