ネコとウサギとイヌ 2
「魔王様、お疲れのようですね。
どうしたんですか?」
「昨日は娘の姉妹喧嘩があってね。」
エリーが心配そうに声をかけてきてくれた。
「そんな時は仕事をしてリフレッシュしてください。」
リノアが書類を渡してきた。
厳しいね、、、
「これは?」
「市民から陳情が来ています。
対応をお願い致します。」
「は~、魔王は雑用係じゃないよ。」
「魔王様が力でなんでも解決するのは良くないとおっしゃって始めた陳情システムです。
恨むなら過去の自分を恨んでください。」
仕方ない。
働くか~。
陳情書を見る。
『ピンキーラビットが暴れて困っています。どうにかしてください。』
ピンキーラビット?
直訳すると小指ウサギ。
それが暴れて困ってる?
なんか、ほのぼのした光景しか浮かばないが、、、
「それは大変ですね。。。」
エリーは共感している。
「すまんが、大変さがわからんのだが?」
「実際に見て頂いた方が早いでしょう。
すぐに行きましょう。」
リノアに急かされて、出発した。
現場に到着。
・・・確かにイメージと違う。
いや、違い過ぎる!?
確かに、ウサギたちが暴れている。
しかし、ツッコミ処が多過ぎて、どこからツッコミを入れていいかわからない。
なぜ、二足歩行!?
しかも、なんてデカさ!?
3mあるんじゃねぇ!?
ってか、ゴリゴリにマッチョじゃん!
耳を入れると3m近い、ムッキムキのゴリマッチョ。
しかも顔が濃い。
おおむねウサギなんだが、劇画チックだ。
イメージは『ゴルゴ◯3』。
「これのどこが『ピンキーラビット』なんだ?
『ヤクザ兎』とかの方がしっくりくるぞ。」
「『ヤクザ兎』ですか?
ピンときませんけど。。。
ピンキーラビットの生態を知れば納得できますよ。」
「このウサギの生態か~。
気になるけど、
知るのも怖いな~。」
「独特なんですよ?」
「陳情を解決するためにも、情報は大切ですよ。」
リノアが聞くように促す。
「じゃあ、エリー、お願いします。」
「はい。
お任せください。
ピンキーラビットは生まれた時は全員オスなんですよ。
そして、発情期になると興奮して互いに闘いを始めるんです。
そして闘いに負けたピンキーラビットは小指を噛み切られるんです。
そして2回負けて、両手の小指を失ったピンキーラビットはメスになるんですね~。
ある程度の規模のハーレムが出来上がると、闘いは終了するようです。」
なんだそれ!?
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