ネコとウサギとイヌ 1

それは突然始まった。


「ネコがいい!!」


「ウサギがいい!!」


「ネコの方がかわいいの!」


「ウサギの方が耳が長いんだよ!」


姉妹で口喧嘩していた。


「何をやってるんだ?」

伊織に尋ねると、


「何を飼いたいかで争ってるのよ。

まったく。

動物を飼うなんて一言も言ってないのに。」


姉の琴音はネコ派。

妹の心咲はウサギ派だった。


「どっちも飼いません。

誰が世話するの。

それにお出かけも出来なくなるよ。」


「いいもん。お世話も私やるし!」

「私もやる!」

ここは一致団結か。


マンション暮らしで、子どもも小さいから、今はペットは厳しいな~、と俺も思う。

飼いたい子どもの気持ちもわかるけど。。。


伊織が目線で俺もなんか言えと催促してきた。

「昼間はみんな小学校や幼稚園に行ってるから、ペットが寂しいんじゃないかな。」


「でも、みんな飼ってるよ!」


「みんなって誰よ?」


「ゆずちゃんとか。」


「他は?」


「他もいっぱい!」


ゆずちゃんは琴音と仲の良い友だちだ。

それ以外は知らないんだな~。


その後も姉妹でネコとウサギのアピール合戦が続くが伊織の鉄壁のディフェンスを突破することは出来なかった。



2人が眠った後。

「琴音がゆずちゃんの家でネコと遊ばせてもらったみたいなのよ。

それからウチでも飼いたいって。

心咲も火がついてウサギ飼いたいって、ずっと言ってるの。」


「まぁ正直、ペット飼うのもありだけど、世話が大変だよね。」


「結局、親が世話することになるし。

病院連れて行ったりも必要でしょ。

お金もけっこうかかるんじゃない?」


お金はある。

独身時代に魔王の力を悪用して稼ぎました。


「まぁ、もう少し話をしてから考えようか。

生き物だから、一時の気分で飼う訳にはいかないからね。」


「そうね。

2人の熱が冷めないようなら、検討してみる?

ネコとウサギどっちにするかは結局揉めそうだけど。」


「しばらく様子を見るか。」


という結論になりました。

子どもの時ってやっぱりペット飼いたくなるよね。

ちなみに俺は子どもの頃、犬を飼っていたので、断然犬派だ。


どうなるのかな~。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る