紳士の吸血鬼

我は吸血鬼アノル。

吸血鬼は、人外の中でも数が少ないものとされておる。

ま、貴重なのじゃ。

吸血鬼は人間の血を吸っていたのもあって、我は他の者より人間界に詳しい。

そして、今や我は悪魔と天使の喧嘩止め係をされておるのじゃ。

ほれ、今日もやっておる。


「そなた達、そこまでにしておけ。」


毎朝毎朝、元気じゃのう。


そして我は、城では飯を作っている。

料理は好きだし、自分ではあまり食べれないから、この仕事は気に入っている。

我は、血液以外はあまりたべれないし、飲めない。

全くできないわけではないのだが、味がどうにも…

だから、他の者が食べて、喜んでる姿を見るのが毎日楽しみなのじゃ。


それはそうと…

我は夜にあまり眠れない。

まぁ、寝なくても、あとから眠くなったりはしないので、別に問題は無いのだがな。

まぁそれで、夜にこっそり抜け出して、コウモリ状態で人間界をウロウロしている。

その時に最近、よく聞くのだ。

"血祭り"の噂を。

ただ殺されているだけだとか、儀式をしているだとか…


このときの我は、これが後に我らに関わってくるなど、予想もしていなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る