1年2組と雪

元々、このクラスの団結力はすごかったのだろう。

後から入ってきた僕は、ただの邪魔者なのだろう。

僕は、クラスにあまり良く思われていなかった。


「おい、雪」


放課後、いつものメンバーが来た。

ちなみに、リーダーはあの学校を紹介してくれた男の子だ。


「今日、俺ら用事あるからさ、掃除変わりによろしくな〜w」


「いや…僕今日当番じゃない…」


「あ!?テメェ口答えしてんじゃねぇぞ!!」


リーダーを囲む周りのガヤが言う。


「そんなこと言われても…」


「ゆきゆ〜!」


いつの間にか、教室の扉のところに、守さんがいた。


「一緒帰ろ〜!」


「あ、えと…」


リーダー達を見る。

流石に先輩…それも、有名な彼には手出し出来ないんだろう。

そそくさと去っていった。

…結局掃除は僕なのかよ


「…ごめんなさい、守さん。今日、掃除…『押し付けられたの?』……手は出さないでくださいね。」


もはや、定番と課してきたこのパターン。


「僕も手伝うよ〜?」


「大丈夫ですよ。ヴァルさん待たせてるんでしょう?…また、後で。」 


守さんは、不満を言いたそうにしていたものの、自分の主の名前が出てきたら抵抗はできない。

静かに去っていった。


他の掃除当番はいるものの、僕はクラスの邪魔者。

一人、静かに掃除をする。

他の掃除当番が帰っても、僕は最後まで掃除をしてから帰った。


大きな扉。

最初は驚いていたが、もう慣れてきた。

大きな扉を小さな力で開けて中に入る。


「…ただいま…」


小さく声を出すと、扉の前のホールと呼ばれる空間にいた皆がこちらを向く。


「お、雪おかえり〜」


「ゆきゆ〜掃除大丈夫だった?」


柚子、次に守さんが僕に声をかけてくれる。


「別に、大丈夫でしたよ。」


「お、雪。帰っていたのか。」


アノルさんがホールの横の扉から顔を出す。


「他のみなも、夕食の準備はできたぞ」


「お、待ってましたぁ〜」


スマホをいじっていた美希さんが顔をあげて、椅子から立ち上がる。

ホールには、大きな机があるが、ご飯は別の場所で食べるのだ。



………………

僕にとって、学校は、世界は、狭く、息苦しい。

けど、この空間…この時…

この、城だけは

楽に生きれる、唯一の空間なのだ。

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