人外vs人外

僕らが住んでいるこの城

そして、この城がある山

ここには沢山の人外が来る

しかも、人間を敵視している人間が…



(うわ…またいる…)

やってきた団体の人外達に、僕は明らかに嫌だという顔をした。

けど、僕の知る人外7人は人間を敵視はしないが戦闘狂が多いのだ。

だからいつも、誰が人外を狩れるかを勝負している。

今日も反応速度がすごかった。


「あっれれぇ〜?お兄さん達、こんなところでどうしたの?」


ニッコニコの笑顔でそう言いながら、緑の炎で相手を一人燃やす。

犬の耳、尻尾がついた、守さんだ。


「守の速さ…チートでしょ!!」


そう言いながら、残り4人の人外をとある空間に閉じ込めた。

魔女の柚子だ。


「はっははははははは!!隙ありぃ!!!!」


閉じ込められて動けなくなってる相手を問答無用で串刺しにした。

まさに悪魔の悪夜さんだ。


…代表的な戦闘狂は、この三人だ。


「おや。もう仕留めたのか?」


日傘を指しながら来たのは、吸血鬼のアノルさん。

吸血鬼故、日傘を指して日光を遮らなければならないのだ。

学校のときは力を使ってなんとかしてるらしい。

それでも日光は苦手らしいが…


「さっすが〜♪やっぱり早いね、三人は。」


スマホ片手にやってきたのは猫又の美希さん。


「でも、やり方がねぇ〜特に誰かさんなんて品のひの字も無いもの。」


そう言って悪夜をギロッと睨んだのは、天使の梓さん。


「あぁ!?やってねぇくせに文句言ってんじゃねぇよ弱虫!」


「はぁ!?弱くないわよ!戦闘を好むような馬鹿じゃないってだけ!!」


「まぁまぁ、二人共。」


喧嘩をしだした悪夜さんと梓さんを止めたのは、閻魔のヴァルさんだ。


「それに梓。戦闘を好む者は他にもいるんだぞ?」


「あ…」


ヴァルそんがチラッと見た方向を梓さんもチラッと見る。

そして、あ…やってしまった…みたいな顔をした。


「馬鹿…」


柚子と守さんがダメージを受けていたから。


「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ごめぇぇぇん!!まもるんも柚子っちも全然馬鹿じゃないからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


柚子の肩を両手で掴んでブンブンと揺さぶる梓さん。


「はは…大丈夫だよ…僕馬鹿だから…あはは…」


「守。今日もすごかったぞ。」


「えへへ。そう?主〜」


そんな柚子達の横でヴァルさんが守さんを褒めて元気づけた。


ちなみに、戦闘が出来ない僕は、作戦や後始末をしている。

今回も、後始末にかかる。

ポケットから小さな瓶を出して蓋を開け、倒れている敵に向ける。


「吸い込め」


その一言で、敵がどんどん瓶に詰められていく。

そして、血になる。

実はこれは、血になったのではなく、城の地下にある僕の研究所のカプセルに閉じ込められているのだ。

この血は、そのカプセルに閉じ込められた奴らから、タヒなない程度に摂取した血なのだ。


この血の入った小瓶をアノルさんに渡す。


「はい、アノルさん。今日の分です。」


「あぁ。いつも助かるぞ。」


これが、僕らのルーティンとなっているのだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る