第2章 しらゆきひめ

出会いは簡単だった。

同じ部活。同じバイト。

学生なんてそんなものだと思う。

簡単、単純

あとは、その、ネット、とかも……

恋に理由なんてないらしい。

そんなことは無いかもしれない。馬鹿らしい。恋は盲目だとも言う。馬鹿らしい。

好きになる理由なんてそれぞれだ。

顔が好き

声が好き

体が好き

手が好き

足が好き

口が好き

性格が好き とか


どれも理由になりうる。

どれだって正しい。

そしてどれも間違っている。

口にしたのは真っ赤な果実。

恋という名の危険な林檎。

その真実を口にしてしまえば、

もう子供には戻れない。

しっかりとした歯ごたえの中にある優しい甘み。

中には苦かったり酸っぱかったり

色々な表情を魅せてくれる。


さあさ、その棺を運び出してちょうだい。

この中身は、何も知らない少女の私。

燃やして始めて変わることが出来る。

少しだけ痛みがあるって聞いたのは、不安だけれど、その先のことを考えれば、怖いことなんて何も無いわ!


サヨナラを告げよう。

ほんの少し前までの味気ない世界へ。


旅立っていこう。

甘酸っぱい大人の世界へ。

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