現代童話集

狐偽 灯音

第1章 あかずきん

 教えてあげようか世間知らずのあかずきん。


 一般的には人を無視しちゃダメなんだよ。

 人の嫌がることをしちゃいけないんだよ。

 君みたいな子は自己中ジコチューって言って、みぃんなから嫌われちゃうんだよ。


 今は何もないのかもしれないけれど、

 そのうちに怒られても、

 オオカミに食べられても、

 撃ち殺されても、

 溺れさせられても、

 石を詰められても、

 お花を飾られても、

 お婆さんに嫌われても知らないんだからね。


 君はいい子にしてるつもりかもしれないけど、周りから見たらそうじゃないって事にもうそろそろ気づいたらどう?

 君のその頭巾の色は誰の血で染めているの?


 どうせ私の事なんてどうでもいいんだ。

 別に嫌いでいいもん。

 みんなが無視するの。

 一緒にいてくれるよね?

 大好きでいてくれるよね?


 とおっても可愛い口癖ね。

 君自身が可愛かったらの話だけれど。

 物分りのいい貴方なら分かってくれるよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る