実験の一環

「熱い何がああぐるじぃ」

ドサッ



 

「今朝、ホテルの一室が鍵を使っても開かず、予約のチェックアウトの時間にコールしても出なかったと通報があった。また非常用監視カメラの映像が途切れているとのことだ。」




「なんか、俺ら秋休み使って遊びに来たけど、面倒事になってないか。」

「どうせあとであいつ来るんだろ。そのときに協力しようや。」

「おっと、そのまさかだったようだ。」

「おうお前ら。こんなところでなにしてんの。」

「普通に秋休みだよ。有給だけど。」

「そうか、俺有給も取れねえのに。ってそんなことどうでもいい。」

「今回は何があったんだ。」

「事件か事故か。自殺か他殺か。」

「なんとなく分かったよ。」

「その部屋はどこなんだ。」

「ああ通報だと1504号室だって。」

「了解。俺の予想だけど、その人はファーストクラスじゃないのか。」

「ああそうだな。」

「お前プログラマーだろ。監視カメラ観れねえの。」

「監視カメラぐらいならいけるだろうな。ただ時間はかかる。データが消されてたら無理だぞ。」

「じゃあ無理だな。」

「扉が開かないって、無理やりじゃ駄目だったのか。」

「駄目だったらしい。なにか引っ掛かる様子もないから鍵も閉まってないのだろうな。」

「部屋に行ってみるか。」

「俺が耳当ててみるよ。」

「何が分かったことは。これは他殺だな。気圧を使ってるのか。この気温がちょうどいい時期にエアコンをつけている。」

「これは扉を壊さなければ開かないだろうか。」

「スタッフに聞いてきて。分かった。」

「(数分後)許可が降りたぞ。あとでなんか手動のミニチュアレースカーのドリル借りた。」

「ああ、それは俺が手配した。これなら小さい穴2つの方がいいから。」

「分かった。空いたぞ。」

「証拠を探そう。そこら辺の至るところにガムテープが張ってあるぞ。」

「トリックが分かった。」

「さすが教授。でどうなんだ。」

「お前ら気圧が温度で変わるのは知ってるよな。それを利用して扉を開かないようにする。そこで勘違いした職員や警官たちは自殺と判断する。またこの睡眠導入剤で自殺をより際立たせる。」

「そうか。それで、カメラの映像を残さなければ成功と。」

「そうだな。でも本職と戦うには弱すぎる。そうこのカメラはバッチ処理タイプ。そこから記憶を探れば映像が出てくるって訳さ。」

「犯人が分かったからここは休みがとれない警官に任せるよ。」

「ああもう、分かったよ、分かったから、煽るな。あと現実で煽りに屈伸するなよお前キツいだろ。」




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