第3話 まがい物の愛...(其の1)
説明(知らなくても楽しめるけど、知ってたらもっと楽しめるやーつ。)
―アローンの武器
遺跡の調査依頼のときに狩ったネームドのファイアドラゴンの素材から作った大剣と、エスト級吸血鬼の素材から作った大鎌。大剣にはドラゴンのエッセンス、大鎌には吸血鬼のエッセンスが含まれている。そのおかげで一般的な武器とはことなり、特性が付与されている。が、通常時はほとんど意味がない。武器で攻撃をしたり防いだりするとエッセンスの「怒り」が増幅し、レイジが使えるようになる。
このような特殊な武器を作れるスキルを持つ人は数少ないが、アローンはそれ鍛冶屋で知ったので自分で作った。
―エッセンス
概念。風のエッセンスや水のエッセンスなど、目に見えるものではないが、色々なものに宿っている。魔物のエッセンスであればその魔物の魂の欠片とも言えるもの。風鈴などには風のエッセンスが宿っていたりする。オドやマナとは異なるもの。
簡単に言えば魔法の属性とは違った物質そのものが持つ属性みたいなもの。そこら編の水は魔法じゃないけど水属性、そこらへんの火は魔法じゃないけど火属性みたいな感じ。
アローンの武器はファイアドラゴン属性となるわけです。(ファイア要素より武器が超高温になり、ドラゴンの爪や牙要素より斬撃性能にが上昇する。)
―レイジ
武器に含まれるエッセンスを怒りをもとに爆発的に増大させること。特性がより顕著に現れるようになる。「怒り」の量にもよるが通常時の100〜150倍ほど特性が顕著になる。ほとんどの場合火力が上昇するだけ。アローンの武器もそう。
―向上と強化
向上はライズ(rise)自分のステータスを一時的に上昇させるもの。上昇量は魔力参照ではなく上げたいステータスと同じステータス参照。攻力向上なら攻力が高いほど上昇する攻力が多い。
強化はレイズ(raise)他人のステータスを一時的に上昇させるもの。上昇量は魔力参照。
―本編
強敵と戦う前に身体能力強化をしておくか。
「
まずはキュクロプスをアーマーガーディアンから離す。
「光速。」
アローンの体が一瞬光り、光の速度でキュクロプスに詰め寄り、その勢いのまま
「チャージ、ジャンプクラッシュ。」
力を貯め、キュクロプスの胴をめがけて飛び上がりタックルをお見舞する。倒れこそしなかったが、キュクロプスの体は遥か後方へと押し出された。
ステータス変更、魔力最大。
「設置型障壁。」
すかさず障壁を張り、ステータス変更、攻:護:疾、4:2:4。これで一対一でやりあえるが、時間はそう長くはない。なるべく早く片付けなければならない。
通常の人間の数倍あるであろう背丈、屈強な体つき、そしてそれと覆う鎧、隙間から見える緑色の皮膚は硬化していて並大抵の武人たちでは太刀打ちできないだろう。さらにモンスターでありながら大剣を装備している。おそらくアーマガーディアンになろうとしていたゴーストを無理やり剣の形に変えたのであろう。
「グオオオオ」
と咆哮を上げアローンに突っ込んでくる。魔法の介入はない、正真正銘のフィジカルだけでの戦い。
目標は目を潰すこと。たいていの1つ目の魔物は目を潰せば無力化できる。だがあんな巨体で暴れられれば死ぬ可能性もある。あるていど弱らせてから目を潰す。もしくは、目にこだわらず殺す。
足を切り、バランスを崩してスキルのコンボでも畳み掛ける。
アローンもまたキュクロプスとの距離を詰める。
足元だから攻撃もしづらいはずだ。
「グオオオオ!!」
なんだ?なにかの攻撃か?剣を振り下ろしている。こいつ地面を割って足元へ近づけさせないつもりか。
―ドゴォォォン
キュクロプスの前の地面は崩壊し、アローンの姿も見えなくなった。
「後ろががら空きだ!光速、デュアルエッジ。」
大剣と大鎌を並行に並べ同じ箇所を同時に斬る、右足はもらった。はずが、ガチンッと金属音が鳴り響く。まあ、一筋縄ではいかないよな。この鎧硬すぎる。
使う必要がないと思っていたが、使うか。この世界にはこんなものあるのか?と思ってしまうようなスキルや魔法がたくさんある。
「アーマーブレイカー。」
対防御用装備品スキル。相手が防御用の装備と認識しているものを簡単に破壊できるようになる、参照ステータスは攻力。
先の攻撃で後にアローンがいることに気づいたキュクロプスは、足を踏み鳴らす。一回一回の足踏みで大地震のような揺れだ。
アローンはキュクロプスの足に捕まり、それをやり過ごした。
大きいってのは便利だが、死角が多い、特に足元。今度こそ。
「デュアルエッジ!!」
アローンの攻撃は確かに鎧を砕いた、しかし鳴り響いたのはまたしてもガチンッという金属音だった。「皮膚は硬質化していて並大抵の武人では太刀打ちできない」というレベルではない硬さ。まずい、これだけ硬いとなると、疾力か護力かを犠牲にする必要が出てくる。キュクロプスは鎧が砕けたことに驚きながらも、とても楽しげな様子で、アローンへの攻撃を再開した。
技量もパターンもクソもない、ただ力任せに大剣を振り回すだけの攻撃であるが、桁外れな攻力の高さ、アローンと同等の疾力の高さで、アローンを圧倒していた。
一発一発が重い、かつ攻撃頻度が高すぎる。距離を取りたいがその隙すら与えてくれない。このままではジリジリと削られて負ける。レイジを使う。これだけ攻撃を武器で受けた、おそらく発動できるはずだ。
両手にある武器に力を込める。大剣と大鎌のエッセンスが急激に増幅する。一時的にだが、大剣の刃は超高温になり、さらに斬撃性能の向上、大鎌は斬撃性能の向上、血を浴びれば更に斬撃性能が向上する。
「ワイドエッジ。」
キュクロプスの大剣を横断。さらに超広範囲に及ぶ斬撃はついにキュクロプスの足を切断した。
バランスを崩し倒れそうになるが、切れた大剣でかろうじてバランスを取っている、と思っていたのもつかの間、足が生えてきてキュクロプスはもう両足で立ち上がっていた。欠損部位を再生したのだ。
もう一度、
「ワイドエッジ。」
キュクロプスの足は吹き飛んだが、またしても瞬間的に再生されてしまった。
こいつの目を潰したところでどうせ再生される。となれば効果的な弱点はない。一体どこを切ればこいつは死ぬのか?脳?心臓?脊髄?わからない。頭を吹き飛ばしてみて、頭から再生すれば頭部に、体から頭が生えてくれば体に再生の核があるはずだ。そこから再生もとを探せばいい。
しかし、首を切ろうにも肩まで登って斬るか、光速+ジャンプでジャンプ切りで斬るか、しか選択肢はない。肩まで登るのはリスクがあるが、だからといって光速とジャンプも初手で使ったから、見切られてしまうだろう。
武器や鎧を投げ捨て、素手で突っ込んでくるキュクロプス。これがやつの本気だ。拳でなんども殴りつけるキュクロプス、その拳はアローンに届く前にことごとく切り落とされるが次の瞬間にはまた生えてアローン襲いかかる。
結局さきほどと同じ攻撃を耐える状況になってしまっている。キュクロプスの理不尽なまでの強さ、障壁の残り時間、レイジの残り時間、なかなかに厳しい状況だ。
もう一段階ギアを上げるか。あまり大きな力を使うと後日に響くからあまりしたくはないが相手はネームド、出し惜しみなどしている余裕はない。
(作者の小言)
対人の戦闘描写ならまだ私の語彙力で戦えますが、対魔物は結構悲惨です。読みづらいと思います。すみません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます