第52章−4 異世界の求愛はタイヘンです(4)※

 ベッドのスプリングがきしみ、反射的に逃げようとしたオレを、ドリアが素早く抑え込む。


 次の瞬間にはドリアの唇が重なっていた。


「マオ……嫌なら抵抗しないとだめだぞ」


 頬を上気させながら、キラキラ顔のドリアが困ったような声で言う。


「わたしは、マオを傷つけることはしないと決めたのだが、今日は……今日は……ちょっと、難しい……かもしれない」


 イヤだなんて今のオレには言えるはずがない。

 両手を伸ばし、ドリアの背中へと腕を回す。


「ドリア……」


 耳元でそっと囁く。


 オレの言葉を聞いたドリアの顔が眩い輝きにいろどられる。


「マオ! マオ! 大事にする。絶対、大事にするぞ。マオを悲しませることはしない。マオを悲しませるヤツは、わたしが許さないからな」


 ドリアはそう宣言すると、オレに覆いかぶさり、互いを求めあった。


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