第11章−2 異世界の嫉妬は過激です(2)※

 毎晩のアレヤコレヤや、この会話からも、ドリア王太子のオレに対する執着がなみならないことは、感じ取っていた。いや、感じ取っていたつもりだったのだが……。


 どうやら、オレの認識が甘かったようだ。


(怖い……)


 深い色をたたえた翠の瞳が、じっと、オレを見つめている。


 とても真剣で、とても熱い視線だ。


(ドリアの顔が、ものすごく怖い……)


 これから起こることを悟り、オレは恐怖のあまり震え上がった。


「い、嫌。い、いやだ。こんなの……い、嫌だぁぁぁあっ」


 準備もなにもない一方的なドリアに、オレは涙をこぼしながら抗議の声をあげる。


「好きだ! 好きなんだ! マオが大好きなんだ!」


 おい、そんな三段活用なんか聞きたくないぃぃっ!


 寝台がギシギシ軋む音が、オレの恐怖をさらに煽る。


(な、なんで……こんなこと……)


「マオ、マオ、好きだ! 絶対、他の男には渡さない」


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