第10章−2 異世界の情報網は怖いです(2)※
五日前「急な話になるのだが、国葬を行うことになった。その準備や参加で、一、二週間ほど会えなくなる……」と、悲壮な顔をして、別れを告げた王太子だったけど、その日の夜に、王太子はオレの部屋にやってきたんだよ。
もう、驚いたのなんの……。
エルドリア王太子曰く『日中は会えない』だそうだ。
まぎらわしい、っていうか、どんだけオレと一緒に過ごしたいんだか。よくわからない。
日中に会えないから、それを埋め合わせると言って、エルドリア王太子は、夕食はオレの客室でとるようになった。
その後は、オレを誘って、もう一度、風呂に入る。
そして、ふたりで一緒にひとつの寝台で寝て……となれば……そこで、まあ、アレヤコレヤやっちゃうんだよね。
疲れ果ててから、一緒に眠る。
起床後は、朝からまたアレヤコレヤやって、ココの風呂に入るんだよ。
ついでに、身だしなみもココで整えてしまい、朝食をオレと一緒に取る。
そして、エルドリア王太子は、オレから離れたくないとか、身が裂けるような想いだとか……わけのわからないことをひたすら言いながら、迎えの近衛騎士にひきずられるようにして公務にむかうんだ。
……という、ちょっぴり恥ずかしいルーティーンができあがりつつあった。
もう、王太子はこの部屋で生活しているといってもいいだろうね。
最初はちょっと嫌だなって思ったときもあったよ。
でもね、ぐいぐいと攻めてくる王太子の強引さに負けてしまった。
自分の気持ちはまだよくわからないのだけど、エルドリア王太子に抱きしめられたとたん、オレの鼓動はどうしようもなく速くなってしまうんだ。
これって、どういうことだろう……。
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