感覚機関
猫の顔を見てみよう。
顔中、毛だらけで、人間からしたら、如何にも、鬱陶しそうだ。
しかし。そんな猫の顔でも、毛が生えていない場所が在る。
それは、鼻だ。
何故、鼻に毛が生えて居ないのだろうか。
それは、猫にとって、嗅覚という感覚が、特別に必要な物だからで在る。
視覚というのは、便利な物だが、それがどの様な物質、成分を含むかを判別するのには、不便な側面も在る。
自然界に適応をして行った猫は、その物が安全な物質であるか、食せるかという事を判別をするに置いて、嗅覚という感覚を進化をさせたという訳だ。
では、人間はどうで在ろうか。
鏡で自分の顔を覗いて見よう。
目、鼻、口、耳、皮膚、どれも他の哺乳類よりも、圧倒的に毛が顔を占める面積が少ない。
毛のみで感覚的な進化を綴るのも、良く無いので、猫でない、他の哺乳類と、感覚機関を比べて見よう。
蝙蝠はどうで在ろうか。
蝙蝠は、超音波を発せる動物である事が知られている。
詰まり、耳が良いのだ。
音、というのは鋭く、且つ、光のエネルギーの無い場所に置いて、役に立つ。
その為、蝙蝠は聴覚機関を発達させたのであろう。
哺乳類の枠組みからは外れるが、鷹はどうだろう。
鷹の視覚機能はとても、高い。
空を飛ぶ鷹に置いて、周りの状況に左右をされずに、上から、下を覗くには、視覚という機関が非常に役に立つ。
その為、鷹は、視覚機関を発達させたのであろう。
猫、蝙蝠、鷹と比べた所で、人間は何が優れているのだろうか。
それが、何処も優れて居ると言える機関は無いのだ。
よく言えば、バランスが良いという事だ。
一体、何故だろうか。
その鍵は、人間の知的能力に在る。
人間は、考える事が出来る。
何を判断材料にするかに置いては、どのような状況に置かれるかも、分からないので、より、多くの判断材料を持って居た方が良い。
そして、総合的に知覚を統合し、結果を導き出す能力を人間は持って居るのだ。
その為、人間の感覚機関はフラットなので在る。
我々が、普段、生活をするに置いて、聴く、音楽、観る、絵、味わう、食事、感じる、痛み。
それは、進化の元に成り立つ、知能を通した、娯楽で在ったり、苦痛で在ったりするのだ。
統合して、算出された結果を、元、我々は生きている。
そして、生きて行くのだろう。
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