キャッチボール

今は、友人のAと草原でキャッチボールをしている所だ。


シューッ


パシッ


「ナイスボール!」


「今日は、調子が良いんじゃないか?」


Aの褒め言葉に顔が少し、柔和になった。


シューッ



パシッ


僕とAは少し間を開けて、どこまで続けられるかを試す様子だった。


「良いね!少し、右寄りにグローブを当ててみて!」


Aの助言に少し、右手を見る。


シューッ




パシッ


僕とAとの間は少しずつ広がっていく。


そんな事象に、僕はAとの友人としての距離が遠ざかっていないか心配をした。


そう言えば、Aの声が聞こえなくなった。


シューッ





パシッ


そう言えば、Aとはもう、何年の付き合いなのだろう。


もうずっと、居るみたいな物だしなあ。


しかし、それにしてもAからの言葉はない。


シューッ






パシッ


「おーい!A!どうしたんだよ!」


もう、距離を遠ざけたくは僕は無くなって来た。


僕ら、一心同体だろ?


シューッ







パシッ


「おい、良い加減にしろよ!俺は、お前なのだぞ!」


Aが執拗に距離を置く物だから、僕は声を荒げた。


「おい、A!、A!」


シューッ








パリンッ


「あ。もう、買い替え時だったんだな。」






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