母(別の名を、愛人)
「ははぎみ、ははぎみ、ははぎみ、」
「どうだった」
「鬼はやっつけた」
「鬼はこわくなかった」
「どこか痛くしてない」
「
「どんな鬼だった」
ひしめく
五節の師は、吾が子が帰って来た夢を見ているのではないと、
夕暮れに
「ふぁわあっ」
「
五節の師は、
笑いながら、五節の師は聞いた。
「
「……阿古久曾に、言い伝えたんだけど、君、聞いてないね…」
「才がなかったら、内教坊に帰されたんじゃないの」
五節の師は回り込んで、望行を
見返すと、深い闇に呑まれるような黒い
望行は答えた。
「
五節の師は、
「私は何も。あの子は、とても
望行は指で、五節の師の黒髪を
「君に似たのだね」
――望行は慌てて、手を
「こんな姿で飛び出して来て……君、
望行は、五節の師の白い
望行は、五節の師に背を向け、
五節の師は、紀望行の大きな背に抱きつくようにして
「あの子を紀氏の子として迎える」
「そう。よかった」
五節の師は言ったが、望行は
「月に
望行に言われて、
「あなたの家に、連れて行っちゃうんじゃないの」
「子は、母と共にいた方がいいように思えてね…」
望行は、五節の師を負って、歩いて行く。
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