【悪友時代】連休の前のヒトコマ。
「そういやさー、お前連休どっか行くの?」
「え、行かない」
「え、マジで」
「なんで驚くわけ」
「だって花の
「買い物なら多分行くけど」
「それは日常生活の一部としてだろ。そーじゃなくて非日常的なオデカケのことを言ってんだって。っつーかわかってて言ってんだろお前」
「っていうかなんでGWだからってオデカケしなきゃダメな流れになってんの。意味わかんない」
「ぶっちゃけて言うとGW拉致っていい?」
「バイト入れる予定だからダメ。ってか拉致って何だ拉致って」
「予定っつーことはまだ確定してないな。よっしゃ旅行行こうぜ旅行」
「行かないって言ってるんだけど。あとそんな金はない」
「金は俺が出すに決まってんだろ。俺をなんだと思ってんだよ」
「人の話を聞かないおバカさんだと思ってますがなにか」
「聞いてるだろちゃんと。だから俺が金出すって言ってんだし」
「そもそも行かないって言ってんでしょうが」
「なんでだよ。金はこっち持ちだしバイトはまだ確定じゃないんだろ?」
「何のためにバイト入れようとしてるかわかってんの? 今後の生活費のためなんだけど」
「その分食費浮かせてやっから」
「それイコールうちに入り浸るかアンタん家に行くってことでしょ。却下」
「いいだろ入り浸っても俺ン家来ても。なんか不都合があるわけじゃなし」
「不都合ありまくりなんだけど。主にアンタを好きなお嬢さん方からの恨みを買う的な意味で」
「気にすんなよ。害が出るようならこっちで手ェ打つし」
「そもそも旅行行かなきゃそんな面倒な事態にならずに済むから全部まとめて却下」
「お前って融通きかないってか頑固だよな」
「アンタは他人の都合を考えないトラブルメーカーだよね」
「まーいーや。お前がどう言おうが拉致っちまえばこっちのもんだし。っつーことでバイト入れんなよ。まぁ入れてても拉致るけど」
「こっちは一言も了承してないんだけど」
「拉致る予告してるだけマシだろ。っつーわけで色々準備してくるからまたな」
「連休明けまで来んな馬鹿」
こっちの捨て台詞にもレンは笑ってひらひら手を振るだけで。
何を言っても何をしても、結局はあいつの思いどおりになるんだろう未来がありありと想像できて溜息をつく。
それを心底迷惑と言えないし、思えない自分が一番どうしようもないなと苦笑した。
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