第3話 原田 ナオコ 1
あー、不快、不快、不快
私は(原田 ナオコ17歳)教室1番前の席で
1つ後ろの席の山谷 アスカがいつもどうでもいい、自分の彼氏とのノロケを延々と話してくる
彼氏の両親からまるで娘みたいで気に入られているやら。いや、その家で初体験をしたんだろ?率直にクソ、キモい
そんな、話しを切れば良いのだが私はそんな事をする勇気もなく『うんうん、あっ、そうなんだぁ』をまるで機械のように返答していた
それを、全く気付かないアスカ
クソだし、バカ
そんなバカがするクソ話しより、私は、次の1週間後に迫ったテストに向けて勉強したい1分1秒足りとも無駄にしたくないのに。
学校が終わって塾に直行この塾は難関大学を志望する学生が集まる地元で有名な塾
そこで更に勉強、勉強、勉強
塾でも1番前の席、目障りな塾生が見えずに済むし直ぐに講師に質問が出来るから。
そんな私は最近、気になる人が五十嵐 マサヤって
色白のイケメン窓ばっかり見てつまんない男子。けど、脳内の私が好き、好き、好き
ほんの数m後ろに『マサヤくーん!』ってしつこいし煩い。
五十嵐 マサヤとのかなりイヤらしくグロい妄想を勝手に脳内再生する
これじゃ、アスカと同類。え?クソって事?
この脳内再生を消さないといけないって
必死に上書きしても殻を破るようにまた妄想し脳内再生する
私は、マサヤくんの事好きなのかな
いや、好きだな。
私のこの気持ちを伝えるんだ
素直になるんだ
五十嵐くんの事なんて呼ぼうかな
う~んと、いがちゃん?、しーちゃん?
キモイな
五十嵐くんでいいや
伝えよう
塾終わりに五十嵐くんに声を掛けた
「あ、の五十嵐くん?」
「えっと、誰かな?」
ちらっと見るだけだった五十嵐くん
実際、目の前にすると美し過ぎてヤバい、興奮する
しかも、私を知らないなんてまた興奮するー!
いや待て待て、鼻息荒くない?
「ごめんなさい。呼び止めちゃって、私は原田 ナオコって言います。一応五十嵐くんと同じ教室なんだけど・・・」
「こっちこそ、ごめん余り塾の人覚えてなくて。それでなに?」
冷たーい!
そっけない!
それに、風に乗って五十嵐くんからいい匂いするー!
私の気持ちを伝えて健全なお付き合いをするんだ
青春アニメやドラマみたいな
「好きなんです!付き合ってください!」
頭を下げて手を差し出した
「無理だね、じゃ」
五十嵐くんは、私にそう言うと何事もなかったように帰っていった。
フリーズして思考停止した。
人は通り過ぎるのに、まるで独りボッチのようだった
けど、ジワジワと興奮してる私がいた。
変態じゃないよね。
誰に言ってんだ。
とある君の未来 藤林 光太郎 @yamada-Takumi
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