第四章 …… 決意
決意 (1)
人間の生きる意味とは何なのか。
――そんな事を久我山は、時間さえあれば考え続けている。
それ、を経験した後。考え続けている。
エピクロスやショーペンハウアーやウィトゲンシュタインなどの歴史上の賢人達が必死に考えた命題を、久我山のような子供が幾ら頭を捻っても良い答えなど辿り着かない事は彼も分かっているが……それでも、考えている。
考え続けている。
この命題が頭から離れた事は一度としてない。
何時か誰かに訊きたいと思っている。
この命題に付いて。
誰もが認める答え、が知りたいのではない。
その人が正しいと思う答え、を知りたいのだ。
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