第25話 可能性

「うーん。クリス様に仕えたいとは思っているよ。家の立場があるから、決まってはいないけど。」


「なるほど。俺もどちらかと言うとクリス様かとは思っているけど、仕えるかを悩んでいるんだ。」


「へぇ。なんで?」


「仕えても、家に利益があるかもわかんないし、心からの忠誠心があるわけでもないから。それに、自分に主が必要だと思わないからかな。」


「それなら、仕えたい人ができるといいね。主がいる上での利点は、、立場を守ってくれる人がいることかな。最も信頼があってこそだけどね。」


「なるほど。主を作るか考えてみようかな。」


「いいんじゃない?」


「そうだね。あっ、兄さまが来るので、交代するよ。またね。」


「ああ。またね。」


 話していて思ったことがある。


 何度も頭によぎった。


 ゲームと性格が違う。


 ゲームでは、自分の意見を言えないキャラだったし、簡単に流されていた。


 一緒のこともあった。


 主を必要としていないところとか。


 でも、違うと感じるところが多かった。


 幼少期だからかなとも思った。


 でも、レオンの幼少期の設定に合わないキャラになっている。


 決定的なのは、「兄さま」という呼び方だ。


 ゲームでは、なぞの距離があって、ルイスお兄さまだった。


 ルイスのなぞのプライドにより、そうなっていたらしい。


 なぜだろう。


 レオンが転生者ということはないだろう。


 このゲームの人だということは、分かる。


 俺がゲームに転生したときから分かる、このゲームの人ならではの来やすさがある。


 その時、俺は一つの可能性がよぎった。


─俺以外に転生者がいる。それも、レオンの身近に。


 それなら、納得がいく。

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