再会と思い出と配信内容と

今日は、紅蓮くんとのコラボ配信の日!!


なので、指定された場所に向かったんだけど..........


紅蓮「紅葉お゛ね゛ぇ゛ぢゃ゛ん゛〜」


何故か、その紅蓮くんが号泣してた。


...........どうしてこうなった。


まぁ、確かに私も紅蓮くんと再会できて嬉しいよ。


嬉しいけど.......まさか、ここまでだったとは。


紅葉「あ〜.......えっと、その.....とりあえず、落ち着こう、ね?」

紅蓮「ハイ.....」


私の言葉を聞き、何とか泣き止む紅蓮くん。


紅葉「それにしても.........あの紅蓮くんがこんなに立派になるなんて、思わなかったよ」

紅蓮「それはこっちの台詞だよ!!まさか、紅葉お姉ちゃんがDチューバーになってるなんて......」


昔のことを懐かしみながら、そう呟く紅蓮くん。


久々に再開したからか...........その顔は、どこか嬉しそうだった。


紅蓮「でも.......紅葉お姉ちゃんがあの時と変わってなくて、本当に安心したよ」

紅葉「む!!それは聞き捨てならないな〜。てか、そんな冗談をどこで覚えたのさ!!」

紅蓮「ま、俺も色々と頑張ったんだ」


そう言うと、ニッと笑う紅蓮くん。


紅葉「こんなにカッコいいんだったら、さぞかしモテるんでしょ〜?」

紅蓮「まぁ、モテるにはモテるけど..........」

紅葉「けど?」

紅蓮「その分、厄介な人がいるから、対応がね...........」


そっか、人気になればなるほど、そういう厄介な人も出てくるってことか。


紅葉「...........紅蓮くんも大変だね」

紅蓮「アハハハ.......」


人気者は辛いって言葉は、本当だったんだね。


紅葉「それで、今回はどこのダンジョンに行くの?」

紅蓮「そうだね...........今回は渋谷にあるダンジョンに行こうと思ってる」

紅葉「渋谷のダンジョン...........」

紅蓮「言っとくけど、駅の方じゃないからね」


デスヨネー。


紅葉「そのダンジョンには、何があるの?」

紅蓮「うーん..........あそこは魔石が採掘場でもあるから、よく作業配信をする人が多いんだよ」

紅葉「いわゆる、ASMRってやつ?」

紅蓮「まぁ、そんな感じだね」


確かに、鉱石の採掘音は気持ちいいもんね。


紅蓮「しかも、渋谷のダンジョンの魔石は、それなりにいいやつが多いから、小遣い稼ぎで行く人も多いけど..........」

紅葉「けど?」

紅蓮「その分、強いモンスターがいるから、注意しなくちゃいけないんだよね」


なるほど...........こういう場所には、必然的に強いモンスターがたくさんいるってことか。


紅蓮「あと、渋谷なだけに、内部構造が複雑で、定期的にダンジョン内の構造が変わるから、そこも注意しないとダメだからね」

紅葉「はーい」


内部構造が定期的に変わる..........か。


それもそれで厄介だな。


紅葉「紅蓮くんは、その渋谷のダンジョンに行ったことはあるの?」

紅蓮「うん、何回か潜って入るけど........」

紅葉「おぉっ!!じゃあベテランだね〜」

紅蓮「俺はベテランってレベルじゃないよ」


照れながらも、そう言う紅蓮くん。


...........可愛い。


紅蓮「そういえば.................この前の雑談配信とかで、色々暴露してたけど、その後って大丈夫だったの?」

紅葉「ん〜..........妖術界のお偉いさんに怒られたことぐらいかな?」


あの後、妖術界のお偉いさんからめちゃくちゃ怒られたんだよね。


我々の誇りが穢された!!とか、秘密をバラすな!!とか言ってたけど...........秘密はいつかバレるものだし、だったらバラした方が良くね?って言ったら、そのお偉いさん達が苦虫を噛み潰したような顔になったっけ。


紅蓮「やっぱり怒られたんだ」


呆れながらも、私に向けて、そう言う紅蓮くん。


紅葉「退治屋ってフリーな仕事だから、妖術界からとやかく言われることはないって思ってたけど..........何故か怒られたんだよね」

紅蓮「内容が内容だから、仕方ないといえば仕方ないけど...............よくもまぁ、そんなトンデモ情報をバラすことが出来たね」

紅葉「え〜?そうかな?」

紅蓮「そうだよ!!」


解せぬ。


紅蓮「...........それでこそ、紅葉お姉ちゃんらしいけどさ」

紅葉「なんか言った?」

紅蓮「ううん、何でもない」

紅葉「?」


にしても..........まさか、紅蓮くんとのコラボ配信が出来るなんて.....人生って分からないものだね。


そう思いながら、紅蓮くんとの会話を楽しむ私なのだった。

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