雑談配信②

:ヒヒイロカネ..........だとぉ!?

:ヒヒイロカネ?何それおいしいの?

:おいおい!!三種の神器の原材料じゃねぇか!!

:マジで!?

:ヒヒイロカネって実在したのね..........

:次から次へと明かされる衝撃の真実!!


うわ、めっちゃザワザワしてる。


........そんなに驚くようなものかな?


紅葉「えっと...........何でザワザワしてるの?」


:幻の金属が実在していたら、そりゃ誰でも騒つくわ!!


紅葉「あ、そうなのね」


:ちなみに、ヒヒイロカネの鉱山の場所とかは..........?

:そこはワイも気になってた


紅葉「知ってるよ。だけど、国家機密だから流石に言えないんだ。ごめんね」


私がそう言うと、コメント欄は再び騒つくのだった。


:国家機密ぅ!?

:ヤベェ.....ヤベェよ..........

:道理で表沙汰に出ないわけだ

:逆に手を出した人々がどうなったのかが気になるな


紅葉「ん〜..........大体、の奴らに連れてかれて、その一生をヒヒイロカネ鉱山で終えると思うよ」


:ヒェ!?

:秘密を知ったのなら、その秘密の場所で死ねってか

:恐ろしや..........

:ある意味慈悲でもあるし、地獄でもある罰だな

:どんだけ秘匿されてんだよ..........

:秘密を知った者は徹底的に潰すやり方ですね分かります

:何か、また新しいワードが出てきたんだけどぉ!?

:妖術界..........?

:いかにもヤバそうな香りがするやつだな


紅葉「ヤバそうも何も..........妖術界は、古の時代から日本の政治に絡みに絡んでるからなぁ」

大福「ワフワフ?」


のおかげで、私が大暴れできるから、ある意味感謝してるけどね。


:はぁ!?

:どう考えてもヤバい連中ですね分かります

:てことは..........昔から、日本を思うがままに操ってきた存在ってこと!?


紅葉「ま、そんなとこだね」


:スゲェェェェェェ!!

:国を裏から操る系の組織って実在したんだ...........

:生配信でそれを喋る紅葉ちゃんの度胸よ

:紅葉ちゃんが人外であることを公表したもんだから、同接が既に一万人越えなんだが

:マジで!?

:配信の内容が内容だから、そりゃそうなるだろ

:界ってことは..........何かしらの社会ってこと?


紅葉「ピンポーン!!大正解!!妖術界は、妖術師達の社会のことを指す言葉なんだよね!!」


:妖術師?

:魔法みたいなもんか?


あ〜。やっぱり、魔法のイメージの強いか〜


そう思いながら、私は、妖術師について説明した。


紅葉「妖術師っていうのは、妖術と呼ばれる術操る存在.................ザックリというなら、日本に古くからいる魔法使い..........かな?」


:マジか!!

:日本に古くからいる.......魔法使いだとぉ!!

:なんかロマンがあるなぁ

:それなぁ!!

:妖術師って、普段はどんな仕事をしてるのかな?


おぉ、意外と食いついてる。


紅葉「そうだね..........私みたいに退治屋をする妖術師もいれば、妖怪達の存在を隠蔽するのを仕事にしている妖術師、妖術師の卵を教育する妖術師に、私のように、人間と妖怪のハーフの妖術師もいるし.................人それぞれって感じだね」


:結論としては、悪い妖術師と良い妖術師もいるのか..........

:どこの世界にも、悪い奴と良い奴がいるってことね

:この感じだと......犯罪を犯してそうな妖術師もいそうな感じがするな

:犯罪を犯した妖術師ってどうなるんだろ?

:普通の警察..........だと、取り締まれなさそうだな


紅葉「そうなの!!だから、妖術師や妖怪が起こした事件は、の事件を専門に取り扱うFBI的な組織が活躍しているんだよね」


:やっぱ、そういう組織があるんだ...........

:だったら退治屋はいらなくね?


紅葉「ゔっ..........痛いところを突くなぁ」


そこが退治屋のネックというか、何というか...........


紅葉「正確に言えば、退治屋は個人からの依頼をメインに扱っているけど...........妖怪の存在が信じられなくなった今となっては、依頼は中々来ないんだよね」


:せ、世知辛い!!

:こんな世の中だから、妖怪が忘れ去られるのは分かるけど.................流石に悲しすぎる!!

:そりゃ必然的にFBI的な組織が活躍するのは当たり前だけど.......時代の流れは厳しいなぁ

:ここでもダンジョン出現の波に飲まれていたのか


紅葉「み、みんな.......」


分かってくれるのね!!


大福「ワフ!!」

紅葉「大福も励ましてくれるの?ありがとう〜!!」


:てぇてぇ

:てぇてぇ

:てぇてぇ

:てぇてぇ

:てぇてぇ

:てぇてぇ


紅葉「な、何!?」


埋め尽くされるほどに、コメント欄に書き込まれるてぇてぇに対し、戸惑う私。


てか、てぇてぇって何!?


:紅葉ちゃん紅葉ちゃん、今更だけど妖術って何?


紅葉「あ、そこを説明してなかったね。妖術っていうのは、エナジーと呼ばれる力を操る術のことでね、例えば.......」


私は、そう言いかけるのと同時に、エナジーを使って、指の上に炎を出した。


紅葉「とまぁ、こんな感じのことが出来るんだよね」


私がカメラに向けて、妖術を実演したのが原因なのか..........コメント欄はめちゃくちゃ盛り上がっていた。


:何あれ、凄っ!?

:魔法で作った炎よりも大きくないか?

:魔法で作った炎→コンロの弱火 エナジーで作った炎→コンロの強火

:↑的確すぎて草


紅葉「あとね..........こういうことも出来るよ」


そう言った後、私は赤い炎を青へと変えた。


紅葉「まぁ、こういうのは魔法でも出来ると思うから、二番煎じだと思うけどね」


:いやいやいや!!炎の色を変えるなんて魔法、あるわけがないだろ!!

:前にそれを試したDチューバーがいたけど、炎の色は変わらなかったんだよなぁ


紅葉「え?マジでそういう魔法ってないの?」


:魔法が万能だと思われてて草

:魔法で炎を作ったら、色も変えられないし、武器に纏うことも出来ないからなぁ..........

:ついでに言うと、魔法で作った炎の形状を変えることも出来ないしね


紅葉「魔法って、単純に炎とかを作って放つだけなの!?」


:そゆこと


紅葉「それじゃあ、こういうのって出来ないの?」


そう言うと、私は青い炎を蝶々に変えた後、部屋に放ち..........炎の蝶々は、煙となって消えていった。


:どう考えても魔法じゃ再現不可なやつですね分かります

:ヤベェ、何か興奮してきた

:俺も俺も!!

:ワイも!!

:そういや、紅葉ちゃんが薙刀に炎を纏わせていたのも、妖術なのかな?


紅葉「そうだよ〜。エナジーを使えば、さっきみたいなことが出来るんだよね」


:エナジー?


紅葉「例えるなら、人が生まれながらに体内に持つ力。それがエナジーなんだ。例えるなら、体内にマナがあるみたいな感じかな?」


:ふむふむ

:エナジーって体の中にあるの!?

:つまり..........そのエナジーを使って、炎を薙刀に纏わせていたってこと?


紅葉「そうだよ。ついでに言えば、さっき言ってたヒヒイロカネは、エナジーを通しやすい性質があるから、妖術との相性が抜群なんだ」


:だから薙刀が燃えなかったのか!!

:謎が一つ解決するって、なんかスッキリするな

:ん?てことは...........この性質があるから、ヒヒイロカネの鉱山の場所が隠されているってこと?


紅葉「そう!!そこなのよ!!だから悪い妖術師対策として、ヒヒイロカネの鉱山の場所は、一部の妖術師しか分からないってわけ」


私の話に対し、コメント欄はめちゃくちゃ盛り上がっていた。


すると..........当たり前だが、こういう質問が出てきた。


:さっきから気になっていたけど...........業界人とはいえ、紅葉ちゃんは何でそこまで詳しいんだ?


...........やっぱり、こういう質問がくるよね。


紅葉「何でも何も......私、こう見えても数百年は生きてるから、それなりには詳しいよ」


この言葉を言った瞬間、コメント欄が静かになったのは、言うまでもない。


解せぬ。

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