雑談配信

雑談配信

私が、初めて配信をした日から一週間が経ち...........私は、大福と一緒に暮らしていた。


紅葉「大福、ご飯だよ〜」

大福「ワン!!」


そう言った後、ドッグフードが入った大福用の皿を、床に置く私。


すると、大福は勢いよくご飯を食べるのだった。


大福「ハグハグハグハグ!!」

紅葉「美味しい?」

大福「ワン!!」

紅葉「そっか〜」


あの後、冒険者協会に行って、魔石やら、ブチコボルトロードの剣やらを、買い取ってもらったのはいいものの...........買い取ってもらった合計金額が50万円という、大金だったため、私は目を見開いて驚いた。


何でも、ブチコボルト自体がレアなモンスターなのに、その上を行くブチコボルトロードの剣はスーパーレアなアイテムだったらしい。


..........あのハイエナそっくりなモンスターって、レアだったんだね。


あ、そうそう!!


私の住んでるアパートの大家に確認したところ、ペットを飼ってもOKなことが判明したので、今は大福と一緒に暮らしている。


紅葉「でも..........配信、楽しかったなぁ」

大福「ワフ?」


大福を見つめながら、ニヤニヤと笑う私。


紅葉「さてと、次の配信は..........無難に雑談でもしようかな」


私の自己紹介とか、そういうのがまだだったしね。


それに.......


紅葉「ぶっちゃけ言えば、視聴者さん達と一緒に話がしたかったんだよね」


配信が楽しかったのは、視聴者さんのおかげと言っても過言ではないしね。


紅葉「もちろん、大福と遊んでいる時も楽しいよ」

大福「ワフワフ!!」


私がそう言うと、嬉しそうな反応をする大福なのだった。











紅葉「ヤッホー!!今日も元気にダンジョン攻略!!大江山紅葉だよ〜」

大福「ワン!!」


自室にて、配信用のカメラに向けて、そう言う私。


:紅葉ちゃんの雑談配信キター!!

:第二回目の配信が雑談なのは助かるわ〜

:初回の配信と続けてダンジョン攻略をしてたら、こっちの心臓がもたないからなぁ

:ここが紅葉ちゃんの家..........

:...............何となく、紅葉ちゃんが配信を始めた理由が分かったような気がする

:大福ちゃん可愛い!!

:何気に大福ちゃんが画面に入っててワイ歓喜

:大福ちゃんが幸せそうで良かった..........


紅葉「わ〜!!褒められてるよ、大福!!」

大福「ワン?」


私がそう言うと、何故か首を傾げる大福。


すると、それが良かったのか..........


:んぁぁぁ!!可愛い!!

:首を傾げる姿もラブリー!!

:信じられるか?この子があのバーゲストなんだぜ?


とまぁ、こんな声がコメント欄に溢れていた。


紅葉「今日はタイトルにもある通り、私の自己紹介を兼ねた、雑談配信をするよ〜」


:(*´꒳`*ノノ゙パチパチ

:待ってました!!

:(((o(*゚▽゚*)o)))

:今、紅葉ちゃんの秘密が明かされる!!

:イェーイ!!


紅葉「えっと..........まずは、改めてだけど、私の自己紹介からだね」


うぅ..........自己紹介って、緊張するなぁ。


紅葉「私の名前は大江山紅葉。職業は退治屋で、種族的には...........鬼と人間のハーフ!!好きな食べ物は卵かけご飯だけど、嫌いな食べ物は特になし!!だって、この世の食べ物は全部美味しいんだもん!!以上!!」


私がそう言うと..........数秒間、コメント欄が静寂に包まれた後


:え?

:は?

:嘘.....だろ?

:紅葉ちゃんって人間じゃないの!?

:だとしたら納得だわ!!

:あ!!だからちょっとだけ耳が尖ってたのね!!

:【悲報】紅葉ちゃん、ガチで人外だった模様


...........もしかして、ヤバいことを言っちゃったのかな?


:てか、何でそんなトンデモナイ情報をカミングアウトしたんだ?


紅葉「何でって..........今の時代、妖怪は忘れ去られているし.................それに、妖怪と人間のハーフはたくさんいるから、カミングアウトしてもいいかなって思っただけだよ」


:そうなの!?

:マジで!?

:ファッ!?

:妖怪と人間のハーフがたくさんいるってことは...........妖怪は人間社会に溶け込んでいるってこと?


紅葉「そうそう!!最近の妖怪のほとんどは、私みたいに、人間社会に溶け込んで暮らしているからね」


:はぇ..........そうなんだ

:そんな情報、初耳だわ


紅葉「妖怪達でも、時代の波には抗えないのさ..........」


:あっ..........

:oh.....

:時代の波は残酷だぁ.................


紅葉「そうそう、時代の流れは残酷だからね仕方ない」


:紅葉ちゃん紅葉ちゃん、さっき言ってた鬼ってさ.........もしかして、昔話に出てくる方の鬼?


紅葉「そうそう!!そうだよ。だけど.......」


:だけど?


紅葉「見た目は、鬼個人によって千差万別でね、二足歩行の鬼や四足歩行の鬼とかがいるから、多分、視聴者さん達が抱いているイメージとは違うと思うな」


:四足歩行の鬼!?

:二足歩行はともかく、四足歩行の鬼がいるのね

:何か、業界人の裏話を聞いてるような気分だな

:それな


紅葉「言っとくけど、妖怪はかなり強いから、私みたいな専門家に任せるのが一番!!OK?」


:妖怪ってそんなに強いのか..........

:↑現に、紅葉ちゃんという強強ガールがいるしな

:妖怪>モンスター説はあるな

:ハッ!!確かに!!

:紅葉ちゃんが強すぎるんだよぉ!!


紅葉「え〜?そうかな?」

大福「ワンワン!!」


そんなに強くないと思うんだけどなぁ..........


そう思っていると、コメント欄の話題は、私の薙刀へと移っていた。


:紅葉ちゃんもヤバいけど、あの薙刀もヤバいと思うのはワイだけ?

:俺もそれは思った

:な、仲間がいた!!

:普通の薙刀はあそこまで頑丈じゃないしな


紅葉「ん〜..........まぁ、私の使ってる薙刀はだからなぁ」


:特別製?


紅葉「あの薙刀はね、っていう、特殊な金属でできているんだ」


私がそう言うと...........コメント欄は、再び静寂に包まれるのだった。

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