ドキドキ中層攻略!!

さて、私がドンドン攻略を進めているからか、それとも、タカラモドキを食べたからなのかは分からないけど.............私の配信に対し、同接している人達は、一秒、一分ごとに増えていた。


紅葉「うわうわうわうわ.......いきなり一万人になっちゃった!?」


:そりゃあ.....ね?

:薙刀で無双したり、タカラモドキを食べたら、そらバズるわな

:ミミックかどうかも分からない宝箱を破壊する時点でヤバかったしね

:だな


紅葉「うーん.....そうなのかな?」


そう呟きながら、迫ってくるモンスターを倒していく私。


一方、コメント欄はというと


:ちょっ!?会話と同時進行でモンスターをボコってるw

:てか、紅葉ちゃんが今ボコってるモンスターって.............ブチコボルトじゃねぇか!!

:ブチコボルト!?

:ブチコボルトって.......ハイエナそっくりだけど、めちゃくちゃ強いモンスターだっけ?

:ブラックハウンドの次はブチコボルトかよ!?


紅葉「コボルト.......?」


:二足歩行の犬のモンスターだよ


紅葉「へぇ、それじゃあ人狼みたいな感じかな?」


:人狼?

:まさかとは思うけど..............妖怪?

:人狼ってフィクションじゃないの!?

:人狼ってアレか?月を見たら狼になるアレか?

:何それkwsk!!


あ、人狼はまだ知名度がある方なんだね。


紅葉「本物の人狼は、自分の意思で変身できるから、月を見ても変身できないよ。あと、お察しの通り、人狼も妖怪だよん」


:そうなのか〜

:やっぱ妖怪なのね

:人狼も実在したのか.......

:人狼って、悪い方の妖怪?


紅葉「うーん.....人狼の中にも、悪い奴と良い奴がいるから、何とも言えないんだよね」


:そこは人間も同じなのね


紅葉「うん、そこら辺は人間も妖怪も一緒だよ」


とまぁ、そんなことを話していると


ブチコボルト「「「「グルワァァァァ!!」」」」


何匹かのコボルトが現れた。


紅葉「あれま、たくさん来ちゃった」


:言ってる場合か!!Part3

:呑気すぎるだろ!!

:てか、もう既に囲まれてるぞ!!

:モウダメダァ、オシマイダァ

:おいおい!?ガチでヤバくないか?


コメント欄には、ブチコボルトに囲まれた私を心配する声で溢れていたものの............私的には、真逆の感情で溢れていた。


そう、私は.......大興奮していたのだ。


紅葉「こんなにたくさん来てくれるなんて...........腕が鳴るなぁ」


:え?

:ん?

:空耳かな?

:何か明らかに空気が変わったぞ

:も、紅葉ちゃん?

:今、目がキラッと光ったような.....?


紅葉「ふふふ.......楽しみだなぁ」

ブチコボルト「ワォン!?」


私はオーラに感付いたのか、ビビり始めるブチコボルト達。


紅葉「さぁ...............行きますか!!」


そう言うと、私は...........薙刀に炎を纏わせ、コボルト達の方へ走っていった。


紅葉「はぁぁぁぁ!!」


:ちょっと待って!?アレって魔法!?

:フェイク......じゃないよな?

:綺麗..............

:薙刀が燃えてる!?

:どうやってんだ、アレ.......

:スゲェ!!

:見たら分かる、めっちゃロマンがあるやつやん!!


突然、炎を纏った薙刀の姿に、困惑しながらも、その美しさにコメント欄は盛り上がる中、私はブチコボルト達を倒していった。


ブチコボルト「グギャギャギャ!!」


一方のブチコボルト達は、私に向けて、石を投石器を使って放つものの、私はそれを躱しながら、ブチコボルト達を切り伏せていった。


すると.......どこからか、ブチコボルトの援軍が来たのだが


紅葉「よっと!!」


逆に、ブーメランのように放った薙刀によって、気持ちいいぐらいに倒れていった。


:薙刀にあんな使い方があるのか.....

:援軍すら壊滅て.............

:逆にあの薙刀凄すぎだろ!!

:薙刀パワーw


ブチコボルト「グルルゥ!?」

紅葉「ほら?もっとかかって来なよ。それがあなた達の本気なの?」


指をクイクイと動かしながら、ブチコボルト達を煽る私。


:煽りプレイw

:ブチコボルトに煽ってて草

:むしろブチコボルト相手に煽れるのは紅葉ちゃんぐらいだよ

:ブチコボルト逃げて!!超逃げて!!

:これは.....何か仕掛けているな

:紅葉ちゃん...........アンタってやつは


ブチコボルト「ギャギャアアアアアアア!!」


案の定、ブチコボルトはその煽りに引っかかり、私の方へと向かっていくが............それが運の尽き。


ブチコボルト「!?」


罠に引っかかり、ブチコボルト達はこんがり焼けるのだった。


紅葉「ま、こんなとこかな」


:エグっ!?

:容赦なさすぎw

:上手に焼けましたぁ!!

:こんなにこんがり焼けたブチコボルトを観るのは初めてだわ.......

:まさに蹂躙

:一方的すぎて草

:何かもう......ブチコボルトに同情しかないわ

:こんなにボッコボコにされるとは思わなかった


紅葉「......もしかして、やりすぎちゃった?」


:この感じ.......匂う!!匂うぞ!!これは...........バトルジャンキーの匂いだ!!

:あんなギラギラの目でブチコボルトを狩るDチューバーは初めて見たよ

:今回の新人はバトルジャンキー枠.......か


紅葉「.......これって褒められてるのかな?」


褒められてるのか、貶されているのか、分からないまま、中層を攻略した私なのだった。

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