俺にしか見えない妖精に頼まれたので異世界に行ってみることにした

第44話 モナカ

　さて、とりあえずモナカが付いて来るのは良いとして、色々と確認しないといけないかな。

『ちなみにモナカはどんなことが出来るの？』

『キュウシュウシタモノハ、マネデキルヨ！』

『吸収できるものは？』

『ウゴカナイモノ！』

『え、じゃあ剣とかも吸収できるの？』

『アー、キュウシュウハ、デキルナッタケド、マネハムリ！』

『マネハ、シゼンニアルモノダケ！』

『へー、普通のナンタム族は加工されたものは吸収できなかったと思うけど…進化してできるようになったのかな？でもさすがに真似はできない感じか…』

『それって、剣を吸収したら、鉄とかはできるの？』

『ウーン、タブン、デキル』

…結構凄くない？

『他には何ができるの？』

『カラダノ、カタサ、カエレルヨ。ダイブカタク、デキルナッタ』

『へー、じゃあ一番硬くなってみて』

『ウン！ドウ？』

触ってみると…うわっ、硬っ！これ、皮がなくてもなまくらな刃物は刺さらないんじゃないかな！？大樹さんや朱里ちゃん、リュノも触って驚いていた。

『すごい硬いねぇ』

『ヘヘへッ』

『ちなみに魔力や栄養の補充はどれくらい必要なの？』

『ウーン、ホントハ、ナクテモ２ツキハ、ヘイキ！デモ、マリョクモラウト、ツヨクナル、ヤクニタツ！イッパイ、チョウダイ！！』

『なるほど～』

『それなら、和真君の役に立つとこ見せないとね』

『…ドウスレバイイ？』

『そうね…攻撃は私や朱里ちゃんがいるから、役に立つには、和真君の防御ができると良いかな？』

『ボウギョ？』

『よし、じゃあ練習しよっか！』

そう言うと、朱里ちゃんは持っていた刀をビュンと振った。

『ヒャッ！』

『朱里ちゃん、とりあえず木刀にしよっか？』

『切れるとマズいの？』

『“カク”ガブジナラ、クッツイテ、ダイジョウブダケド、キレタラ、イタイ！』

『ふーん、じゃあ、皮とか体の硬さを工夫して切られないように』

『コウカナ？』

ぶんっ！

『ギャアー！？キレター！？』

『もっと硬く！皮を重ねるとかできないの？』

『！コウカ！？…ウギギッ！？』

『そうそう！できるじゃない！…じゃあ和真君、普段は和真君の動きを邪魔しないように、ぷにょっとした状態でくっついていて、ヤバい瞬間に硬くなって防いでくれると最高だよね？』

『う、うん。それは凄く良いけど…』

『良し！目標の姿が分かったかな？次は攻撃に合わせて硬くなって！』

『ムチャ！？ギャア！マニアワナイヨ！』

『特訓あるのみよ！父さんも手伝って！』

『ヒャアーー！』

『それが終わったら、次は私の魔法で練習よ～』

『ヒィィ！！！』

こうして、時間も遅いので短時間の特訓が行われたのだが…

モナカはすっかり調教され、終わる頃には、『アカリネエサン、リュノネエサン』って呼んでいた笑

　そして、後から分かったことだが、モナカがこちらの素材を表面にまとうと、魔力譲渡が切れた朱里ちゃんも触れるようだった。

　そこで後日、あちらの世界での移動を考えて、俺や朱里ちゃんを乗せて動く練習もしたのだが、特に透明状態の朱里ちゃんを乗せて運べるのは、地下室のある室内で移動するときに便利そうなので、朱里ちゃんがメインで練習することになった。

すると【スライムライダー朱里】状態がかなりしっくりきたのか、朱里ちゃんもモナカもすっごく気に入って、ハイテンションで楽しそうに走り回っていた。

最終的にはかなりのスピードで、アクロバティックに壁や天井も移動できるようになっていたのだが…これ、暴走状態になったら止められる気がしないなぁ…笑

まぁ仲良くなって良かったけどね。