8話目

俺たちは、帰路に着き家に向かって歩いている。



気のせいだろうか、後ろから視線のようなものを感じる。



「じー…」



前言撤回、視線の犯人が目の前にいるのだ、にしてもこの子、小さくて可愛いな。



「どうかしました?」


「…………」


「…?」


「結婚して…」


「ん?もう1回言って貰える?」


「結婚して」



とうとう俺の耳もおかしくなったか。



「…ける!翔!大丈夫?」


「ああ、大丈夫だ。」



いきなりすぎてボーッとしていたようだ。



「すいません、名乗り遅れました中村 綾乃です。」


「星月 翔です。」


「で、お返事は?」


「少し待ってくれ」



実を言うと今すぐにでも結婚したいのだが、朱里との相性があるからな。


あと、結婚してから数日で2人目はどうかと思う。



「まあ、とりあえず家に来たら?」


「!?」



朱里!なんてことを言い出すんだ!まあ、いいか。



「えぇ!いいんですか?」


「うん、いいよ」



その後、予想外のことが起こるのは知る由もないのであった、1人を除いては。



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