初めてのVtuber(視聴)
二杯目のカレーを見事に完食し、風呂を済ませました。洗濯物は明日の朝に干すのがいいでしょう。丁度晴れなので。
いやはや、しかしね…うん
…やることないなあ~
先日まで家族や働いてる人の全ての家事をもこなせてなんぼでしたから、一人分の家事だけで五分ほどで終わってしまいました。しかも、部屋は全く使われていないピッカピカの状態だったため、引っ越してすぐに掃除ができません…
昔の私でしたら、無難に推し活が出来ていましたが、今は最近の流行りもよくわかっていないため、とても心配になってきます。
「斗和?Vtuberに興味ありません?一緒に見てみませんか?」
「それって、前からずっとトワが好きだった奴?そうだねえ、僕も見てみよっかな?まあ、ゲーム実況とかみたいなものでしょ?」
「否定はしませんが、もっと推しやすいんですよね、Vtuberって。キャラクターの設定があって、見た目があって、声も違くて、個性がある。苦手なものでも、得意なものでも、すべてに魅力や可能性が詰まっていて、炎上や叩かれるリスクもある。正直、ここまで逆転のチャンスがあります。夢があっても、自分はうまくいくと思っていても、打算があったとしても、誠意があったとしても、反応一つですべて崩れ落ちてしまうんですから。」
「はいはい、とにかく面白くて視聴者が多い配信を見ればいいんでしょ?」
「そうですね、実際それが一番安全だと思います。そこから自分の好きなライバーでも見つければいいんですから。」
「面白ければ正義なんだよ。」
「表があれば、裏もある。そんなのがVtuberにとっては当たり前ですから。」
Vtuberは、自分が好きな人を、存分に推せばいいです。バズらない人がいたとしても、そういう業界です。かわいそうだけでは通用しない、そこからいかに伸びていくかが重要です。所詮私たちは視聴者側ですから、他人に自分の意見を伝えることくらいしかできないんです。
「では、今ライブしている人でも探しましょうか。」
パソコンは、ちゃんと給料から買ったものです。
「ねえねえ、このオフコラボしているのとか良いんじゃない?」
「そうですね、同時視聴者も三万人を超えていますし、見てみましょうか。」
☆
「これは…ホラーゲームのコラボ、ですかね?」
「そうっぽいね。この”神守 シシ”っていう子と、”清身 メディ”って子のコラボかな?シシが後輩で、メディが先輩らしいね。」
「これは…懐かしいですね。暇な時間ばかりだったものですから、人生の中の多くの時間で楽しませてもらいましたよ。」
「ほら、いいところだよ?」
これは、某シューティングホラーゲームですね。まだストーリーの進行度としては、五分の一くらいでしょう。
『メディさん!今あそこに、何か見えたような気がしたのですが…』
『ん?メディは何も見えませんでしたよ?それよりも、早く進まないといつまでたっても終わりませんよ?』
:自分は前ビビってたのにww
:それが清身メディである(後方彼氏面)
:シシちゃんこれ終わんのかなあ
:↑ムリやろ
:クリアリングは完璧(全く進んでいない)
「何この子?全く死角を作っていないのに、流れるようにアイテムを取り損ねてるっ!」
「そこを全く指摘せずににこにこしているメディさんは、とてつもなくいい性格をしてますね。」
『はあはあ、やっとこの屋敷から出られる…』
『シシちゃん、センシティブな声が出ていますよ?そんなの聞かせてたら、BANされちゃうかもしれません…』
『誰のせいだと思ってるんですか⁉』
『はは、シシちゃんが悪いんですよ?あの時あなたが裏切っていなければ、私は…私はっ‼』
『いや!あれは真剣勝負だったじゃないですか!いくら僕がとりかえっこカード使って負けて罰ゲーム食らったからって…』
『ふふ、だから許しているんですよ。メディは優しいですから。激辛グラタンよりも体には優しいですよ?』
『いや、定期的に寿命が減うわああああああああ‼‼』
『きゃあ♪』
「シシちゃん、結構遊ばれてますね…」
「壁貫通はクリアリング無駄だからねw」
:あぶねえ耳がなくなるところだった
:全力で音量下げるボタン連打したわ
:びっくりポイントで油断するのが悪いと思います!
:えっちな声を出すのがいけないと思います!
:メディシシは有り得るのか問いたい
:この絡みがあるから、俺は生きてける
:他の生きがい探してもろて
でかい屋敷から転がり出るシシ。そこには…
『あ!ここが協力者さんが住んでるキャンピングカーですか。』
『そうね、時間もいいところだし、ここら辺を漁ってから終わりにしましょうか。』
:いやだ!
:いかないで~
¥1,000:お疲れ様
:やはり哀れになってきたのか…
:嘘だ!
¥500:次はクリア耐久ですよね!わかります!
『絶 対 に や り ま せ ん か ら !』
『今日一番の決意を感じたわね…、メディはいつでもいいから。』
『そうですね、大体三か月後くらいにでもどうですか?』
『わかったわ、一週間後ね!』
『先輩?そろそろぶん殴りますよ?』
『守るべき存在が手を出してどうするのよ』
「短かったけど、こんなテンポなの?Vtuberってさ」
「化学反応やらなんやらだと思いますけどね、私は。」
『え?コインってこんなところで使うんですか⁉聞いてませんよ?』
『もちろんよ、言ってないもの。』
『教えてくれたっていいじゃないですか~』
『たかがコインって置き去りにしたあなたが悪いんじゃない?』
『感情移入が激しすぎないですか?』
『冗談よ、次の回で戻りましょう。』
『サラッと次回もあること宣言するんですね…。あ!この部屋の中にもコイン一枚ありますよ!他には…』
『ハーブもいっぱいあるわね。』
『このタンスの中…』
『あっ(察し)』
タンスの中には、脱出の協力者さんのブラが入っていました。それをシシちゃんは調べてしまいます。
:調べたww
:おめでとうシシちゃん、これで君も変態の仲間入りだねぐへへ
:↑通報した
:あら^~
:常識人枠のシシちゃんが!そんな!
:切り抜き決定ワロタ
『いや、えっと、ちがくて…』
『まさかシシちゃん、そんな趣味があったなんて…ww』
テンパってブラをくるくる回してしまうシシちゃん、可愛すぎですか?
『もう!絶対にメディさんとはコラボしません(顔をそむける)』
『ごめんねシシちゃん、忘れてたのは本当なの…、許して?』
『……』
『こうなったら…(ギュッ)』
『⁉⁉⁉』
:まさか!
:キマシタワー
:後輩にいとも簡単に抱き着くおもしれ―女
:裁判負けない?大丈夫?
『機嫌直してくれた〜?』
『先輩!も、もう配信終わります!ありがとうございました。また次の配信でも、みんなを守れるように、精一杯頑張ります!』
『推しは心のお薬です。また次も忘れずに見に来ること!処方箋はtwitcher(SNSの類)に出しておきますね~』
:おつシシ~
¥5000:予想の二倍は進まなかったんだよなあ
:頑張ったよ!ウン
:オーバードーズでいいんで配信オネシャス
:確かにほわほわして癖にはなるが…
:てえてえ大量生産がすごい
:いともたやすく行われるえげつない行為
《配信は終了しました》
☆
メディさんは知っていましたが、シシさんは二期生らしいですね。ネオライブも、新しい募集は少ないものの、段々と人数が増えて行っているのがうかがえます。
「まだ二十分くらいだけど、結構ガッツリみちゃったよね。」
「そうですね、相変わらずで安心しました。」
「僕は面白いと思ったんだけどさ、男の人のライバーはいないんだね、この箱」
「妥当とも言えますよ。ガチ恋勢とか、良い視聴者ではありますが、男性が入った途端に態度が変わりますから。」
「楽しそうだね。」
「おーい、現実を直視してくださーい。」
それから、歯を磨いてベットに寝転びました。あまり眠くなかったので、歌ってみたを聞いていたのですが、ふと外を見ると駐車場に車が入ってくるのが見えました。
「さっき見た女性と秘書さん、帰ってきたんですかね?」
「そうだね、芸能人?らしいから、仕事が終わったのかな?」
「大変ですね、どんな仕事をしているのか、また今度聞いてみましょうかね?」
「まあ、僕は少し予想がついているんだけどね。」
「?」
「あのさあ…君、有能なのに鈍感だなって言われたことない?」
「元々の妹にしか言われたことないです。それ以外は私が陰キャだったので、話してくれませんでしたが。」
「なるほど、鈍感系主人公ね?」
「失礼な、メイドを生業にするただのヲタクですが?」
「君の方がよっぽどヲタクとして失礼だと思うんだけど?(地頭とスペックは化け物なんだけどね)」
「はいはい、明日はショッピングモールへ行きますから、そろそろ寝ましょう。」
「あのさ…、ストレス発散とかした方がいいと思うよ?いろいろ無理とか、我慢しただけ満月のときに苦痛になるんだからね?」
「わかってますよ、三回目は特にひどかったですからね、結局私は記憶薄いんですが。」
「だから、定期的に『あれ』やった方がいいと思うんだけど…、勘違いしないでね?嫌だったらいいんだよ⁉︎」
「ん?何をすればいいんですか?」
「いやだから、ナニをね…?」
「「?」」
少し間が空いて後に、何故かすごく残念そうな感情を向けられました。そりゃないだろという思念をビシビシ感じます。
「もっと分かりやすいように言わなきゃダメかな?毎回この会話してるんだけどなあ。一度痛い目見た方がいいでしょ(小声)」
「もう電気消しますよ〜」
私の立場上でも、面倒なことになるのは、トワにとっても斗和にとっても変わりはないんですよね。
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・神守 シシ
狛犬や獅子をモチーフにしている。
・清身 メディ
薬屋である。
詳細は一通り登場人物が出た時に、データとして投稿するかもです。
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