第26話 結婚➁

私が少し、だけ早く来て待っていると、

「おや、今日は随分と早いんだな」

そう言って彼が迎えてくれたのは仮面を被った美しい男性だった。

私こそ我が城の姫君、ララである。

今日も麗しくいらっしゃるものだなあと思いつつもとりあえず軽く礼をすることにするのだった。

すると何故か彼は怪訝そうな表情をこちらに向けてくるのだった、

「ん? どうしたんですか」

と聞いてみたところ彼から返ってきた答えは意外なものだった。

なんと彼は私のお気に入りらしく毎日こうして出迎えをしてくれているというのだから驚きだ。

嬉しいやら照れ臭いやら、複雑な気分だったがそれでも悪い気はしなかったので受け入れることにしたのだ。

その後私達は他愛のない話に花を咲かせつつ食事や風呂などを済ませて部屋に戻る途中の出来事だった。

廊下ですれ違ったメイドの一人が慌てて走って行くのが見えたので何事かと思って後を追って行ってみることにしたのだが、

そこには見知らぬ女性がいたのである。

彼女はこちらを向いて軽く会釈すると去って行った。

数日後、私がボーとしていると、彼が抱きしめてきたので驚いてしまった私だがそれ以上に嬉しさが込み上げてきて涙が出そうになったのだった。

私と再会することが出来た彼は喜びのあまり飛び上がりそうになりましたわ。

まあ実際にはそんなことは出来なかったですけどね。

だって周りに人が多すぎますから流石にそれは憚られましたし自重したのですわよね、さすがわ、私、偉いですわ。

というわけで、早速本題に入ることにします。

まず最初にすることは何にしようか。

そう悩みながら私は彼と一緒にお買い物をし始めましたよ。

そこで偶然会ったのはララーサさんだったんですよ。

そして私達は意気投合してしまいまして一緒にお茶することになってしまったんですよね。

それから色々と話しているうちに彼女が仮面を外したのですがその時に見た彼女の素顔の美しさに目を奪われてしまったわけでございまして、

それはまるで宝石のように輝きを放ち輝いていましたわ。

そんな彼女に対して私が思わず見とれていると、それに気づいたのかララーサさんがこちらに微笑みかけてきました。

そして私の頭を優しく撫でてくれるのです。

その行為により胸がキュンとしてきましたわ。

ああもう我慢できずに抱きついてしまったんですけれど、彼が受け止めてくれて本当に嬉しいですね。

「ララ、君はボクの物だから誰にも渡さないよ」

その言葉は本気であり、決して曲げることはないだろう。

私、彼にプロポーズをした。

そして彼は了承してくれたのである。

だから私達は将来結婚することになるだろうとそう確信したのだ。

その後二人で食事して家に戻ったら早速ベッドに入って愛し合うことになった訳だがやはりまだ慣れていなかったのだろう緊張して動きがぎこちなくなってしまい、

そうだったのは仕方ない事だったのかもしれないね。

だけど、それも徐々に慣れてきてからはスムーズに出来るようになったし彼の反応も段々と良くなってき始めたんだ。

これは嬉しい報告だよ本当に、これからも頑張っていくから応援してくれるとありがたいな。

2人で一緒に過ごすうちに少しずつ心を開いてきたのだろうかと思うようになっていた頃のことだった。

彼が私に、こう聞いてきた。

「君は今何をしているのかい」

と、そうしたら私は恥ずかしそうにしながらもちゃんと答えたのでした。

それがすごく嬉しくて、思わず抱きしめられちゃいましたよ、

それから数日後の事だったんだけどね突然彼が訪ねてきたんですよ。

それでどうしたと思いますか?

なんとですね。

「ララ、大好きだよ」

まるで新婚出来立ての様なそんなコメントに思わず私の頬も緩みそうで

「私も、大好きだよ」

そう言って私たちはキスを交わした。

それからしばらくして私達は結婚式を挙げることになったのだった。

式場の準備や衣装選びなど大変だったが、無事に終わってほっとしているところだ、

そしてついにその日を迎えたのだ。

私はとても緊張していたのだか彼は優しく抱きしめてくれて安心できたのであった。

式の後の夜も二人で熱い時間を過ごしたのである。

翌日からは新婚生活が始まって毎日幸せな日々を送ることが出来ると思うと今からワクワクしていますね。

そんな訳なので、 これからよろしくお願いします。

3か月後に、私は妊娠が発覚した。

どうやら悪阻で体調が優れなくなってしまっていて大変な日々を過ごしていきましたけど、彼が支えてくれたお陰で何とか乗り越えることができたんですよ。

本当に感謝しかないですわ。

それから数ヶ月後には無事に出産することができまして母子ともども無事で良かったと心から思ったものですのよ。

まあその後は色々とあったけれど今では落ち着いていますしね、

これからも家族三人で仲良く過ごしていこうと思っていますのでどうか応援していてくださいね。

それではこの辺でね失礼しますわ。

4ヵ月目になったある日のことでありましたわ。

突然彼がある事を言い出したのですわよ。

「実はね、ララ。

俺はそろそろ旅に出ようと思っているんだ」

と言い出したので驚きましたよ私は慌てて理由を尋ねたところ、どうやらある目的があってそれを達成するために頑張っていくのだそうですわ。

それを聞いてしまうと止めることなんてできませんものね。

だから私としても彼を送り出してあげるしかないと思いましたわ。

だってそれが彼と交わした契約ですもの仕方がないことなのですからね。

まあ、寂しくなるのは間違いありませんがねそれでも彼のことが大切ですから応援してあげようと思いますわ。

「いってきます、ララ」

と言って彼が出ていこうとする時に思わず引き止めてしまいましたわ。

だってこのまま何もせずに別れて しまうのも寂しいですもん。

だから私は彼に口づけをしてあげたんですのよ、

そしたら彼は顔を真っ赤にして照れていましたわね可愛かったですけどそれ以上に私も恥ずかしくなったのですぐに離れましたよ

そして彼の姿が見えなくなるまで見送った後一人きりで泣き崩れてしまったのですけれども、

その後私は彼と一緒に撮った写真を胸に抱いて眠りにつきましたよ。

そして次の日になると何事もなかったような笑顔を向けて挨拶したのですが、やはり彼がいなくなってしまったことで心にポッカリとした。

穴が空いたように感じてしまって辛いものがありましたわ。

それでも私は彼と出会うことができただけでも幸運だと思っています。

彼とはまた会えるかもしれないと信じておりますので、いつまでも待ち続けるつもりでございますわね。

「私は何時までも、彼のことを待ち続ける、たとえどれだけ時間がかかっても」

私は部屋でそう誓うのでした。

さて、今夜は何をしようかしら、そういえば新しい衣装を作ってみようかなと考えていたんでしたっけ。

よしやってみようと思いますわ。

さあ出発しますわよ。

翌日。私は鏡の前で自分の姿を見ていたんですのよ。

そしたら後ろに彼が立っていたので思わずびっくりしてしまった、

だって気配もなく近づいてきたのだから驚かない方が無理というものだ。

しかもよりにもよってこんな姿を見られてしまうなんてなんたることだ。

恥ずかしくて死にそうだったが、なんとか気持ちを落ち着かせようとした。

すると彼が聞いてきたのだ。

「どうしたの? 何かあったの?」

と、そして私に近づく彼が少し怖かったので思わず警戒してしまったのである。

するとそれに気づいたのか彼はゆっくりと近づいて来て私の手を取ったのだ。

その手は暖かくってとても優しかったのだが、今は別の意味で心臓の音が大きくなる感じもしたわけであるのだし、

余計に不安が増していったわけよ。

そのせいか私はつい手を引っ込めてしまったのだがこれが失敗であったことは言うまでもないだろうにね。

だってまさかその後もっと距離を詰めてくるとは思っていなかったから咄嗟に後退してしまうんだよ。

もう、そんなこんなで慌てているうちに壁際まで追い詰められちゃったではありませんか、ですが、私は懸命に立っているのです。

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