第23話 プロポーズ
早く諦めて欲しいのですがこればっかりはなかなか難しいものがありますね。
さてどうしたものか、と悩むばかりなのでございますけれど、
「ララ、好きだよ」
と、突然言われても困るんですよね。
いやまあ嬉しくない訳じゃないんですけどでもやっぱりちょっと無理っていうかぁ?
って感じなんですけれども、まあ一応返事をしておくことにしましょうかね。
「あ……ごめんなさい」
って返したのは良いんですけれど彼の顔を見る勇気が無いですね、
怖いというか申し訳ないという気持ちもありますがそれ以上に恐怖心が大きいです。
だって蘇芳さんは私のことを殺そうとしているわけですからね。
だから私は殺されないように頑張って生き延びようと
日々奮闘しているのですけれども、最近疲れ気味で辛いですわ。
誰か助けにこないかしらねっと、思ってしまう私なのでした。
そんな時、蘇芳さんから速達の手紙が来たんですよね。
内容はというと……、魔法で書かれてあり、
私は解読魔法を唱えると、内容はこうでした。
「明日あなたの屋敷に行くので、待っててね、大好き♡by ラ・リュエル・デミテルナ」
いや怖っ!!
何この人!?
本当にヤバイ人じゃん!
しかも名前間違ってるしぃ、わざとやってるだろぉこのやろーって、感じなんですけどでもまあ無視するわけにもいかないんですよね。
これがさあ、仕方がないなぁ〜って思いながらも渋々準備を始めることになりましたのよ。
そんな時扉がノックされたではありませんか、誰かしらと思っていると外から声が響いてきたんですよ、
それは蘇芳さんでしたが彼は私に言ったのです。
「こんにちは、ララ、久しぶりだね」
私はそれを聞いて恐怖を覚えましたが、それを表に出すわけにはいけませんよね!
なので必死に笑顔を取り繕いつつ彼とお話をすることにしたのでありましたけれどなかなか言葉が出てきませんでしたので
少し焦り始めてしまったのですがなんとか持ち直して彼に言いましたよ。
「どうしてここがわかったのですか? どうやって私の屋敷に侵入してるんですか?」
と聞くと彼は答えたのです。
「僕は君の為なら何だってやってあげる、どんな手段を用いたとしても君に危害を加えようとする者は全て消し去るから安心してくれ」
と言いましたのよ。
でもそれはつまり私を邪魔だと排除し、殺すと言っているようなものですからね。
私は必死になって彼を説得してなんとか思いとどまるように訴えてみたんですけれど、その反応は全く変わりませんでしたわ。
だって、彼は王宮高位魔法師なので、彼にかなうものなんていないんですから、私が彼にかなうはずがないのです。
でも諦めたくないので、なんとかならないか考えたんですよけれど、結局何も思いつきませんでしたからもう諦めて、
受け入れることにしたの。
だってしょうがないじゃないですかぁ私死にたくないですし?
そんなことを考えているうちに彼は近づいてきて私の手を取りましたわ。
その手からは恐怖と嫌悪しか感じず思わず振り払ってしまいましたが
そんな抵抗すら虚しく彼の腕の中に抱かれてキスをされてしまっていましたね。
ああもう、私の貞操がぁ、と嘆いている場合ではありませんでしよ。
このまま流されていくのは絶対に嫌だから抵抗したいんですわ。
ですがやっぱり力では全く敵いませんでしたのでどうしようもありませんでした。
悔しいけど諦めるしかないみたいですね、
ああ、私この先いったいどうなるのかしら?
蘇芳さんは異世界転移者なのだがどうやら彼はこの世界の事を何も知らないようである。
なので私が案内役として一緒に行動する事になったのだが、
まず最初にする事と言えば情報収集であろう。
というわけで彼と手分けして街を見て回ることにしたのだがその途中にある小さな公園に差し掛かるとそこで奇妙な出来事が起こったのである。
「あ、、あれ? なんだ」
急に目の前が暗くなっていき、やがて意識を失ってしまいそうになった。
瞬間私は何者かに足を掴まれて引きずり込まれて行ったのであった。
それからどれくらい経ったのかわからないけれどようやく目を覚ましましたわ。
でもここはどこかもわからない場所でしたので不安でいっぱいでしたわね、
それで周りを見渡してみるとそこは森の中のようでしたので私は急いで逃げようと思いましたが体が動かないので仕方なく大人しくしている事に致しましたわ、
そしたら私の目の前に現れた人物というのが蘇芳さんでしたので安心していたんですけど彼ったらとんでもない事を言い出しましたのよねぇ。
いやもうほんとに勘弁して欲しいですわ。
「ララ、俺と結婚してくれ」
とプロポーズされましたのですけれど私はお断りしましたの。
でも彼は引き下がってくれなかったので困りましたけれどなんとか諦めてもらうことができましたよ。
でも、その後彼が突然泣き出しまして、私どうしたら良いかわからずにおろおろしていたのですが、
結局慰める事になってしまいましたけどこれはこれで面倒でしたわ。
だって、彼ったら泣くほど喜んでたんですからびっくりですよね!もう本当に訳がわかりませんし、正直ドン引きですわこんな男初めてですよ。
やっと落ち着いてもらった後で話を聞くことになったわけなんですけどね。
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