第19話 私の幸せ
目が覚めると、そこは見慣れない部屋だった。
どうやら、私はベッドに横になっているようだ。
起き上がろうとしたところで違和感に気づく。両手両足が拘束されているのだ。
しかも、素肌の状態であることに気づいた瞬間、恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になるのを感じた。
しかし、いくら抵抗したところで無意味だということはわかりきっていたので、大人しく従うことにしたのだった。
そんなことを考えているうちに部屋のドアが開き、誰かが入ってきたようだった。
それは……目の前にはベッドが置かれている。
ここで寝るつもりだということはわかったけれど、とりあえず黙っておくことにするのだった。
そうすると、すぐに横になって私を見つめて来た。
その視線はとても柔らかく、温かいものだった。
そして、そのまま近づいて来てキスをされたのだった。
最初は軽く触れるだけのキスだったが、次第に舌を入れられて激しく絡め合うようになった。
しばらくした後、ようやく解放されたのだが、その時にはもう頭がボーッとしていて何も考えられなかった。
ただ、気持ちいいという感覚だけが残っていて幸せな気分になれたことだけは覚えているのだった。
「よし、ララ、今からデートするからな」
突然、彼がそんなことを言い出した。
なんでそんなことしなきゃいけないのかわからなかったけど、断る理由もないし、
何より彼と2人きりで過ごせることが嬉しかったから承諾することにした。
2人で街を歩いていると、すれ違う人たちの視線が気になったけれど、それも最初だけだった。
というのも、彼が私を守るように歩いてくれたからだ。
そのおかげで安心して歩くことができたし、周りからの視線も気にならなくなったのだった。
しばらく歩いていると、彼は突然立ち止まった。
どうしたのかなと思って彼の方を見ると、何かを見つけたようでそちらの方を見ていたので、
私もその視線を追うようにして見ると、そこには可愛らしいアクセサリー屋さんがあった。
どうやら気になっているようだけど、中に入るかどうか迷っているようだった。
そんな彼を見て私は思わず微笑んでしまうのだった。
「入ろうか?」
と聞くと、嬉しそうに頷いていたので一緒にお店の中に入った。
店内に入ると、そこには様々な種類のアクセサリーが並んでいたのだが、その中でも特に目を引いたのは指輪だった。
しかも、その指輪には不思議な力が宿っているようだった。
私は気になって店員さんに聞いてみることにした。
「あの、この指輪ってどんな効果があるんですか?」
と聞くと、店員さんは笑顔で答えてくれた。
それを聞いて驚いた私だったが、同時に納得もしていた。
なぜなら、それは私が彼にプレゼントした物だったからだ。
どうやら私の思いが伝わっていたようで嬉しかった。
そして、店員さんから渡された指輪を彼の指に嵌めると、彼もとても喜んでくれたようだった。
それから、お店を後にした私たちは再び街を散策することにしたのだった。
そうすると、途中で公園があったのでそこで休憩することになったのだが、その際に彼が私に告白してくれたのだ。
突然のことだったので、驚いたけれど、それ以上に嬉しかった。
だから、私も自分の気持ちを伝えることにしたのだった。
「ありがとう、私も大好きだよ」
と伝えると、彼は嬉しそうに微笑んでくれた後、私を抱きしめてキスをしてくれた。
そして、私たちは幸せな時間を過ごすことができたのだった。
それからというもの、私は彼のことをより一層意識するようになったし、
彼も同じように私のことを想ってくれていることがわかったことで幸せを感じるようになったのである。
そんな日々が続く中で、ある日のこと、突然彼が姿を消したのだ。
どこへ行ったのかわからず途方に暮れていたが、それでも諦めずに探し続けた結果、
ようやく見つけることができたのだが、そこで見たものは信じられないものだった。
なんと彼は他の女性と一緒にいたのだ。
しかも、とても仲良さそうにしている姿を見て、ショックを受けた私はその場から逃げ出してしまった。
その後、ショックから立ち直れずにいる私だったが、ある日のこと、彼の口から信じられない言葉が飛び出したのだ。
それは……、 {貴方にこの指輪を授けます}という一言だった。
その瞬間、私の中に何かが入ってくるような感覚を覚えたのだが、それと同時に自分が変わっていくのを感じたのだった。
それはまるで生まれ変わったかのような感覚であり、自分でも驚くほどの変化だったのだ。
それからというもの、私は彼と一緒にいる時間が増え、彼に対して深い愛情を抱くようになっていったのである。
そして、ある日のこと、彼からあることを告げられたことで私たちは結ばれることになったのだった。
そのことについてはとても嬉しかったし、一生忘れられない思い出となったことは言うまでもないだろう。
そうして、私は幸せな日々を過ごしていたのだが、ある日のこと、彼から大事な話があると言われたので、
待ち合わせ場所に向かったところ、そこで告げられた言葉は、
{俺は本当は淫魔なんだ、今まで騙していて悪かったな}
というものだった。
それを聞いても特に驚きはしなかったし、むしろ納得がいったくらいだ。
というのも、彼が私に好意を持ってくれていることがわかっていたからだ。
だから、私も彼のことを好きになっていたのかもしれないと思うと納得できたのである。
そして、お互いに愛し合うようになった私たちは結婚することになったのだった。
(これでよかったんだよね)
と思いながら私は幸せを噛み締めるのだった。
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