終幕

Forever

 琴葉・音葉姉妹は少しずつ我が家の生活に適応していった。


 人肉は普通に「美味しい」と言って食べる。


 血は吐きそうになりながらも飲み切る。


 家族……と言っていいのかしら。


 食べ盛りの子どもたちのために、小鳥は週四で狩りを行っている。


 家庭菜園を始めたわ。


 流石にね。


 お肉だけじゃちゃんと成長できないもの。


 因みに、野菜を育てるのは姉妹の役目。


 押しつけたわけじゃない。


 勉強の合間に手伝う様になって、いつの間にか彼女たちの役割になった。


 出会ってから1カ月経った日。


 もう一度問いかけたの。


 本当にここにいていいのか。


 児童養護施設に行くという手もある。


 学校に通った方がいい。


 彼女たちは、


「イジメられた思い出しかない」


「行きたくない。ここにいたい」


 涙目で言われちゃぁねえ。


 なにも言えないわ。


 姉妹は私たちによく懐いている。


 猫のシロとよく遊んでもいる。


 琴葉の方は、自ら志願して小鳥の狩りについて行くようになった。


 後処理も道具の手入れもやってくれている。


 音葉といえば、私やシロと一緒に森を探検している。


 活発な子よ。


 とても幸せな毎日を送る中で、毎日考えていることがあるの。


 自分の存在がなんなのか。


 愛する小鳥を独りぼっちにしたくなくて、この世に留まったことは理解している。


 所謂未練ね。


 では、ただの幽霊なのか、と問われれば違う気がする。


 悪霊や力の弱い霊は私に協力的。


 狩りを手伝ってくれることだってある。


 小鳥や琴葉、音葉は神様――自分たちを守ってくれる存在だと思っているけれど、神様っていうなら祟り神、もしくは悪霊系なんじゃないかしら。


 多分ね。


 憶測ばかり。


 ただ一つ言えることは、小鳥や姉妹に害をなすヤツを許さないってこと。


 私は、私の存在がなんであろうと、永遠に大切な人たちを守り続けるわ。


 永遠に。


終わり

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