第4話 「人生の成功」論の探求
前回の話にて『人生の成功』とは、という命題を提示しました。
そして、
さて、「人生の成功」を宗教はどのように捉えているのでしょうか?
〝
9 そこで、わたしは言っておくが、不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。
10 ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である。ごく小さな事に不忠実な者は、大きな事にも不忠実である。 11 だから、不正にまみれた富について忠実でなければ、だれがあなたがたに本当に価値あるものを任せるだろうか。 12 また、他人のものについて忠実でなければ、だれがあなたがたのものを与えてくれるだろうか。
ルカによる福音書 16章 9~12節
”
聖書の中でも比較的に難解と捉えられる有名なたとえ話に続く、訓話の部分です。
さて、宗教においては「人生の成功」等は、些末な問題でしかありません。
重視されるのは、神の居られる国『天国』へ入れるか否かにかかっているのです。
ところで、宗教を信奉する方々の価値観を踏まえてみても、『不正にまみれた富で友達を作りなさい。』という訓話の出だし部分は難解です。この部分は、多少の誇張表現が含まれているフシがありますので、『不正にまみれた富』を『自分が手にしたお金』に置き換えてみましょう。
〝
そこで、わたしは言っておくが、自分が手にしたお金で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。
ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である。ごく小さな事に不忠実な者は、大きな事にも不忠実である。だから、自分が手にしたお金について忠実でなければ、だれがあなたがたに本当に価値あるものを任せるだろうか。また、他人のものについて忠実でなければ、だれがあなたがたのものを与えてくれるだろうか。
”
さて、このようにしてみると、どうやら『お金』を『道具』として捉えていることが、見えてくるかと思います。
つまり、人間の尊厳を守ったうえで、人間はどう有るべきかと説くわけです。
紐解けば、洋の東西を問わず、この手の訓話は、あらゆる宗教の経典なり、説法集などに登場することでしょう。
そして、ここから見えて来ることが一つあります。
それは、「人生の成功」という言葉は、拝金がもたらした幻想を表す言葉の一つではないか?ということです。
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