第3話 道具の多寡で人生が決まる悲哀
さて皆さんにお伺いします。
各種金槌を沢山取り揃えている大工の棟梁と、小金をたんまり貯めている棟梁がいるとします。
あなたは、どちらの棟梁に仕事をお任せしますか?
まぁ、後者と答える方が多いのではないでしょうか。
そうですね、いくら金槌を沢山持っていても、できる仕事は限られます。
逆に、小金持ちはと言えば、それなりに稼ぎがあり、お客様から信頼されていると考えるはずです、絶対ではありませんが。
このように、沢山の道具を携えながら、人の信頼を容易く勝ち取る事が出来る事が貨幣の特長です。
また、みなさんにお伺いします。
お金は好きですか?
大金持ちになりたいと思いますか?
八割九割が『はい!』と答えるでしょう。
まぁ、世の中には、仙人のような変態もいますが。
お金が有ったら、何が出来るでしょうか?
買い物に食事、旅行に観劇、例を挙げてしまえば、天井無しですよね。
夢が咲き乱れ、人生最良の日々が約束されます。
しかし、これらの夢を見終わった先には何があるのでしょうか?
残念ながら、私には大金持ちの経験がありませんので、ここからは、推論でお話しします。
まず『恐怖と猜疑に悩まされる』といったところでしょうか。
お金が有れば問題ないと考えるのは、我々庶民の発想で大金持ちにとって、お金の多寡は自分たちのステータスシンボルであり、お金の後ろ盾が有るからこそ、彼の発言には説得力があります。
もし、その後ろ盾たるお金が目減りなどしようものなら、彼に対する信頼は損なわれ、誰も彼の発言に耳を貸さなくなるでしょう。
もはや、社会的死去とも考えられます。
貧乏人がお金が足らず喘いでいる間にも、金持ちは、自己の資産と発言力のさじ加減で悶えているのかもしれません。
ちなみに、大金持ちが人生の成功者だと考えておられたならば、少々考え方を改める事をお勧めします。
大金持ちなった程度では、人生の成功は保証されません。
宝くじの当選者に、不幸が多いのは、このためです。
では、大金持ちで成功するには、どうすればいいのでしょうか?
そもそも論として『人生の成功』とは、どういう事なのでしょうか?
私たちは、道具の多寡によって評価されてばかりいます。
それも、尺度の一つかも知れませんが、尺度が一つしか無いというのも詫びしい話しですよね。
この詫びしさを払拭すべく、立ち上がったのが、宗教だったりするのです。
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