第20話「町に着いた、ガチャを回す」
「さて、町が見えてきたわけだが……」
ガチャ装備はここまでの役目を果たし光となって消えた。
「もったいないですね、結構お気に入りだったのですが」
「仕方ないだろう、スキルの特性上そう長く保持は出来ないんだよ」そう言うとマリアが反論してきた。
「私の『幸運』スキルを使っても使い捨てなのは如何なものかと思いますが……」
言いたいことは分かるんだがな……
「俺のスキルだとその時一番丁度いい武器が出てくるみたいなんでな、同じ剣ばかり使って魔族に対策を採られても困るしな」
そんなわけでここまでついて来てくれた武器とお別れをして、俺は採掘スキルを使った。しかしそのスキルはいつもと少しだけ違う効果を発揮した。
石が出てくるという点では一緒なのだが、なんだか石がいつもより五割り増しくらいで輝いていた。
「いつもと違う石ですね?」
マリアがそう言って石を触っている。
『魔力を吸い取ってプレミア石が採掘されました』
どうやら石にも種類があるらしい。今回のものはいつものものより品質がいいようだ。
「じゃあ召喚するぞ」
「はい!」
俺は普通に召喚をしたのだが、石の減りがいつもの半分くらいだった。プレミア石は消費量が少なくて済むのだろうか?
「マイナーさん、今回は使い魔も召喚してくださいね!」
「それは運次第だが……珍しいな、自分で手を下さなくていいのか?」
マリアのことだから絶対に自分で手を下すつもりなのだと思っていたのだが、そうでもないのだろうか?
「使い魔は魔族に恐怖を与えますからね、たっぷり恐怖を植え付けてからなぶり殺しにするにはピッタリでしょう?」
なんとプレミア石でガチャを回すと幸運スキルと組み合わせて十個中九個が虹色の光だった。プレミアだけあってハイレアリティのものが出てくるらしい。
光が収まると剣が九振りと巨大な三つ首の犬が出てきた。
「我を呼び出したのは貴様らか……地上に召喚されたのは久しぶりだな」
「かわいい! ねえマイナーさん! この犬めっちゃ可愛いですね」
「やめんか、我は地獄の番犬ケルベロスだぞ、気安く触るでない」
ケルベロスはマリアから距離を取る。そして俺に問いかけてきた。
「お主が我を呼び出したと言うことでいいのか?」
「そうだな、もっとも、そいつも関わっているから、そうぞんざいに扱うのはやめてやれ」
ケルベロスは少し考え込んだ後、マリアに頭を下げた。
「あなたも私のマスターなのだな」
「はい! これから私と一緒にじゃんじゃん魔族を狩りましょうね!」
ケルベロスも過激な発言にドン引きしている様子だったが、一応それを受け入れたらしく『主の意のままに』と答えていた。これでこの町の魔族は皆殺しが確定したな……
俺は看板に『アルスター町』と書かれているのを確認して、この町の魔族も全滅だな……と少しだけ感傷的な気分になった。
「さてと、武器は……私はこれを選びます!」
そう言ってマリアが選んだ武器はとても切れ味が鋭そうな湾曲した剣だった。俺はそれほど実力に自信がないので扱いやすいメイスを選択した。
そして町へと向かうのだった。
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