第15話 先輩からの誘い

 大学の寮の先輩の茂森さんには、△△大学に通うカノジョがいる。


「松木さ~、とりあえず童貞を卒業したいって

この前言ってたけどさ、それよりも本当は恋をしたいってことだろ?」

と、茂森さんにズバリ言われた。


「そうなんですけど、俺、今まで誰一人好きになったことなくて、たぶん、なんか、恋愛不適合な人間なんすよ。

そうは言ってもエッチしたい気持ちは満々なんで」

俺は勢いよく言った。


「ふ~~ん」

と言いながら、とりま、飲みに行こうぜと誘ってくれた。

茂森さんのカノジョが後輩の女の子を連れてくると。

その子、フリーだから、飲んで気が合えば、お持ちかえりでも何でもしろよ、って。

とにかく、俺に女の子を紹介してくれるってことだった。

「茂森さん!あざーす!!」


考えてみたら、女の子を紹介してもらうのとかも初めてだな。

なにはともあれ、ありがたいことだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 私が通う△△大学には、同じ高校の人はいなかったけど、中学の時の部活の先輩の宮田友理さんがいた。

学部も一緒だったから、キャンパスで顔を合わせることもあった。

中学の時の宮田先輩の印象は、怖い人って感じだったけど、4年ぶりに会った先輩は、私に優しく接してくれて、いつも気にかけてくれてる。


「あおい!土曜日ひま?

彼氏が後輩の男の子連れて来るから、あおい、

ひまだったら、一緒に飲みに行かない?」

と、誘ってくれた。


考えてみたら、私、飲み会って行ったことない。

宮田先輩が連れて行ってくれるなら、なんか、安心な気がした。


「行きます!!ありがとうございます!!」

と、答えた。

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