第12話 ハプニングとアクシデント 後

 あの人が、違いますって、受け取らなかった

ナプキンを握りしめて、俺は途方に暮れた。

って、言っても、すぐに来たバスに乗り込んだから、とりあえずナプキンはズボンのポケットにしまったけど。

俺のポケットの中に、あの人のナプキンがある。

そう思っただけで、股間がムクムクとしてきた。

おい、おい!これじゃ、まるでヘンタイ野郎じゃん!!

朝っぱらから、バスの中で、立ちながら、勃ってるとか……

いや、ダジャレじゃねー!!


あの人、バスに乗らないで走って行ったけど、大丈夫だったかな。


俺は1日中、ポケットの中のモノを気にしながら、あの人のことを考えていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ちょっと、今日の自分には、自分でも驚いている。

ちょっと遅れていた生理がきて、ダルくて体調が悪かった。


寝坊して、焦って、アレを落として、びっくりして、バスに乗れずに走って大学へ行き、講義に遅刻した。

まだ、始まったばかりの時間だったから、出席扱いにはしてもらえた。

息も絶え絶えに、髪を振り乱して入ってきたのだから、教授もさぞかし驚いただろう。

他の学生たちも、は?どうした?って感じにざわついた。


ってゆうか、恥ずかしい!!

恥ずかしすぎる!!

ナプキンは、いつもポーチに入れている。

だけど、今日はそれじゃ足りないかもって思って、出がけに2つバッグに入れた。

よりによって、アレを落として、寝グセの人に拾われて、落としましたよ!なんて、渡されるとは!!

ってか!!アレは受け取るべきだった!!

びっくりし過ぎて、違います!なんて言っちゃったけど、完全に私のバッグから落ちたのを見て、拾ってくれたんだもんね。

ポケットティッシュ?とでも思っていただろう。

ありがとうございますって、もぎ取ってくれば良かったのに……

アレをあの人の手もとに残してしまうなんて……

生理用のナプキンだって、もう、わかったよね。

捨ててくれ~!!

大学のトイレかどこかのゴミ箱に捨ててくれ~!!

そして、忘れてくれ~!!

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