第11話 ハプニングとアクシデント

 アラームのけたたましい音にビクッとして目が覚めた。

スマホを手にとって時間を確認する。


6時50分


………………


ん?


6時50分!!!!!!

なんで、なんで、なんで?

いつもより、25分も寝過ごしてるじゃん!!

うそーーーー!!

こんなこと、今までなかったのに!!!!


わぁーーーーーーーー!!!!


焦って、バタバタと準備して、アパートを出たのは、7時19分。

いつもより4分遅れ。

これでも十分に間に合うのはわかっている。

だけど、気持ちが焦って、ヒールではなくスニーカーを履いて走ってバス停に向かった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 あれ、この人、珍しいな。

俺が、いつも通りの時間にバス停に行くと、この人が最後尾にいた。

前かがみになって、膝に手をつき、肩で息をしている。

マラソンしてきた人がやる感じの。

この人はいつも高いヒールのパンプス?ってゆうのか、そうゆうのを履いているのに、今日はスニーカー。

珍しく寝坊したのかな。

トートバッグから、ハンカチでも出そうとしているのかあさっていて、ポロっと、何か落とした。


条件反射的にそれを拾って、落としましたよ!と声をかけた。

その人は、振り返り、

「ありがとうございます」

と、言った。

あっ、この人、こうゆう声なんだ!

思ってた感じと同じ。

ちょっと低めの落ち着いた声。

握っていたものを差し出すと、その人は真っ赤な顔をして、

「違います!」

と言った。

そして、バス待ちの列から外れて走って行ってしまった。


えっ?

なに?

どうした?


俺が、手にしていたのは、実際はじめて見たけど、生理用のナプキンだった。

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