第6話 告白
いつもの仲良しグループの中でも、いつも明るくて一番元気な由美ちゃん。身長はグループで1番小さくて150位かな。
ちょっぴりポッチリな女の子。性格も優しくて、もちろんブスなんかじゃないよ。
「葵と佳奈と美沙は、もうちゃんと彼氏がいるからいいけど、水奈と亜紀と私はまだいないでしょ。だからなんとか彼氏を作ろうと頑張って告ったんだけど・・・・・」
「えーっ、由美、本当なの?誰に告ったの? ね、ちゃんと教えてよ。みんなで由美のこと、全力で応援するから」
「だって、もう由美の恋は終わっちゃったもの。話してもしょうがないじゃん」
「由美、そんなに簡単に諦めちゃダメだよ。本気で好きなら、最後の最後まで追いかけなくちゃ。ねっ、由美、誰なのよ相手は?」
「もーわかったよ。言うから笑わないでよ。みんな知ってるかな?隣のクラスの中村くん。ほら背が少し高くて、野球部の」
「あーっ、あの真っ黒に日焼けした、眉毛が濃くて目がクリっとした男の子?」
グループのみんなが知っていた。いかにも爽やかなスポーツマンっていう感じの、真っ黒に日焼けした男の子。
その中村くんって男の子、結構女の子の中で人気があるの。スポーツマンなのに可愛い顔してて、ちょっと母性本能くすぐるタイプなのかな。
そうか、由美ったら中村くんのことが好きだったんだ。しかも、もう告ったなんてすごいなぁ。
水奈はできないよ。そんなこと。恥ずかしくて、告るなんて絶対にできないよ。
それに水奈が好きなのは、子供の頃からずっとずっと風太くんだけなんだもの。風太くんに今更告るなんて変だよね。
風太くんはだって、昔から水奈の気持ちはちゃんとわかってるはずだもの・・・・・
たぶん、わかってるよね。
わかってくれてるはずだよね。
だから言わなくても、大丈夫だよね。
その時に由美ちゃんが、亜紀ちゃんと私に向かって聞いたの。
「亜紀と水奈は、彼氏がいないっていっても、二人とも可愛いから良いよね。男の子にはモテるし、ずるいよ」
水奈、慌てちゃった。亜紀ちゃんは確かに可愛いけど、私は全然可愛くなんかないもの。
本当はもっと、できれば亜紀ちゃんみたいに可愛く生まれたかったけど、由美とおんなじ普通の女の子だよ。
いつもはどちらかというと聞き役で、笑ってみんなの話を聞いてるだけの亜紀ちゃんが、ちょっと恥ずかしそうに話してくれたの。
「私なんか、全然可愛くなんかないよ。でもね羨ましいな。由美ちゃん勇気あるね、告白するなんて」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます