貴女のことが大好き
ㅤ可愛いものは大好き。
ㅤキラキラしててふわふわしてる、そんなあなたが大好き。その服は見たことないね。新しく買ったの? お買い物に行くなら一緒に行きたかったな、なんて。いいの、だって今日はデートだものね。どうしようもなくチープな響きの、とっても素敵で特別な日。あなたの一日があたしのものだなんて、幸せすぎてどうしよう。もうずっとね、大変なの。貴女のその綺麗な瞳にあたしが映る瞬間が、何よりも何よりも嬉しくて、飛び上がって駆け出してしまいそう。そうならないように、ちゃんと手を握っていてね。そのルージュ、素敵だよね。あたし、赤が好きだけど、真っ赤なルージュは似合わないから。だから、赤が似合う貴女が羨ましいな。まるで貴女のために作られたみたいに溶け込んでる。でもね、内緒だけどね、キスのときにあたしのオレンジが貴女の赤色に溶け込むところがね、一つになったみたいで好きだなんて、ね。あたしのことを忘れないでね。お揃いの香水だとか、リングだとか、どこででも、何をしてても、あたしを思い出してほしいの。貴女はあたしのことを幼稚だって笑わないからね、そういうところもとっても好き。キラキラしたものが好きだからお化粧だとか宝石だとか、大好きだけど、でも、貴女は心がキラキラしているから、なんにもいらないね。
ㅤあとね、あとね、あたし、貴女の作るお菓子が好きなの。貴女のその細くて綺麗な指先から魔法みたいに生まれるお菓子が大好き。シフォンケーキはすぐに萎んじゃうから一緒にお家で食べたね。あたし器用じゃないから、いっつも貴方の横でケーキとかクッキーとかが焼き上がるのをただ見つめているだけだったけど、それがうんと幸せで、大好きなんだ。
ㅤだから、ね?
ㅤ今度はあたしも頑張って作ってみようかな、なんて。綺麗に着飾った貴女のその真っ赤な爪の先から食べてしまいたいの。
ㅤなんてね。
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